和食居酒屋を営む男性。新規創業者が給付対象に含まれないことに不満を持っている=徳島市両国本町1

 新型コロナウイルスの影響を受けた個人事業主らに支給する国の「持続化給付金」を巡り、給付対象に含まれない徳島県内の新規創業者から支援を求める声が上がっている。売り上げの減少を証明する前年の実績がないためで、営業期間にかかわらず経営状況は厳しい。こうした指摘を背景に、県外では独自の財政支援に乗り出す自治体も出てきた。

 持続化給付金は、昨年12月以前の創業者が対象。今年1月以降、月の売り上げが前年から半減した中小企業に最大200万円、個人事業主に最大100万円を給付する。

 「給付金を当てにしていた。まさか対象外になるなんて」。3月に和食居酒屋(徳島市)をオープンした男性(44)の表情はさえない。4月の収入は3月の5割以下になり、5月に入っても客足は伸びない。「売り上げが落ちたのはどの店も同じ。借り入れの返済ができていない分、新規店が優遇されてもいいのではないか」と訴える。

 徳島市の30代男性は脱サラ後に7年越しの念願をかなえ、4月15日に理髪店を構えた。ところが開店翌日、県内にも緊急事態宣言が発令された。行事の中止だけでなく、外出自粛で客離れは止まらない。大々的に宣伝できず、会員制交流サイト(SNS)に毎日投稿しているものの、「来てください」とは書けないと嘆く。

 徳島でも持続化給付金の給付が始まる中、30代男性は「不公平だと思う。国に一個人が意見を言っても仕方ないと諦めているが、県や市には気に掛けてもらいたい」と話した。

 県外では、埼玉県草加市が新規創業者に支援の手を差し伸べている。地元商工会議所から相談を受け、全国で初めて一律50万円の支給を決めた。市産業振興課は「創業直後で経営が不安定な時期に、国の支援がないのはどうかと思った」と理由を説明する。

 四国経済産業局には、受給できない新規創業者から不満の声が相次いでいる。中小企業課は「対象を広げるのは現時点では難しい」としている。