徳島県鳴門市は、ベートーベンの交響曲「第九」の「歓喜の歌」の部分を歌う動画を世界中から募り、つなぎ合わせて合唱の映像作品にする。新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、感染者らへの差別や中傷が各地で相次ぐ中、「全ての人々は兄弟になる」と歌う「第九」を通して、融和と連帯を訴える。 動画は5月27日まで募集している。鳴門市がホームページで公開中の音源を使い、ドイツ語の歌詞で歌う様子をスマートフォンやビデオカメラで撮影し、メール送信してもらう。集まった動画は1人当たり10秒程度に編集してつなぎ合わせる。

 6月7日に鳴門市文化会館で予定していた第39回「第九」交響曲演奏会が新型コロナの影響で来年3月に延期された。演奏会は、1918年6月1日に板東俘虜収容所のドイツ兵捕虜が「第九」をアジア初演したことにちなんで毎年6月の第1日曜に開かれ、今年はベートーベン生誕250周年記念でもあった。6月の「鳴門の第九」の歴史を絶やさないように、演奏会の開演予定時刻だった6月7日午後1時半に合わせて動画投稿サイト「ユーチューブ」で公開する。多くの人に視聴してもらい、動画に合わせて「歓喜の歌」を一緒に歌ってもらう。

 「鳴門の第九」は、人道的な処遇だった板東収容所のドイツ兵捕虜と地域住民との間に育まれた友愛の史実の象徴であり、現在も鳴門市とドイツとの国際交流の核にもなっている。

 市文化交流推進課は「これまでつないできた『鳴門の第九』の歴史を続けていくため、多くの人に協力をお願いしたい。皆で心を一つにし、『第九の聖地』からコロナ禍を乗り切る思いを発信しましょう」と呼び掛けている。

 詳細は市ホームページhttps://www.city.naruto.tokushima.jp/contents/daiku/ouchi_daiku.htmlで公開している。

 問い合わせは文化交流推進課<電088(684)1224>。