徳島駅前のポッポ街にある漫画やアニメグッズの専門店「南海ブックス」が17日、約40年の歴史に幕を閉じた。県内外のサブカルチャーを支え続けてきた「聖地」の最後に立ち会おうと、大勢のファンが駆け付けた。

 

 午前10時の開店直後から、かつての常連客や元店員など、通常の週末の2、3倍に当たる500人以上が続々と来店。名残を惜しむように看板や展示物の前で記念撮影したり、店員と思い出話に花を咲かせたりした。

 

20年以上にわたって毎月1回程度利用していた30代の会社員男性は「県内の漫画やアニメファンにとってかけがえのない店がなくなってとても悲しい。この店には単なる書店以上の価値があった」と惜しんだ。

 

 午後5時の閉店後には、岡本美紀店長が店頭で見守る約30人の来店客を前に「これまで皆さんの生活の一部としてお役に立てて幸いでした」とあいさつ。客からは「ありがとう」という感謝の言葉や拍手が送られた。

 

 南海ブックスは、漫画やアニメグッズ、ゲームなど約10万点を取り扱っていた。1977年ごろ、徳島駅前の商業施設「とくしまCITY」に絵本専門店として開業。その後、漫画などの販売に切り替え、88年ごろにポッポ街に移転した。

 

 近年は市中心部で開かれるアニメや漫画、ゲームの祭典「マチ★アソビ」の際にイベント会場やコスプレーヤーの拠点としてにぎわっていた。しかし、徳島駅前の沈滞化や出版不況、インターネット通販の拡大などが重なり、営業継続を断念した。

 

岡本店長は閉店後、徳島新聞の取材に「突然の閉店になってしまい、長年ご利用いただいた皆さんに申し訳ない」と苦しい心境を吐露した上で「最後は大勢の方が足を運んでくれてうれしかった」と感謝を述べた。


 さらに「皆さんが南海ブックスと出会ってくれたように、新たな素晴らしい書店と出会えることを祈っている」と期待を寄せ「インターネット通販は便利だけど、書店でしかできない本との出合いを大切にしてほしい」とメッセージを送った。