台風5号の強い風雨の中を歩く人たち=7日午前8時25分、JR徳島駅前

台風5号の強い風雨の中を歩く人たち=7日午前8時25分、JR徳島駅前

 台風5号は7日午前、高知県室戸市付近を通過し、暴風域に入った徳島県内は各地で激しい風雨に見舞われた。4市町の7389世帯1万4839人に避難勧告が出され、徳島新聞のまとめでは正午時点で187世帯239人が自主避難している。県内を発着する空や海の便が欠航するなど交通が乱れたほか、道路の通行止めや休校も相次いだ。
 
 徳島地方気象台によると、県内は午前6時すぎに風速25メートル以上の暴風域に入ったとみられる。県のまとめでは午前9時15分時点で、三好市4895世帯9977人、那賀町1639世帯3220人、吉野川市485世帯995人、美馬市370世帯647人に避難勧告が発表されている。県内のほぼ全域に大雨、洪水、暴風警報、沿岸部に波浪警報、6市町に土砂災害警戒情報が出されている。

 県の雨量計では、午前8時40分までの1時間に阿波市土成町宮川内で57ミリ、同8時までの1時間に勝浦町沼江で50ミリ、阿南市加茂町野上で49ミリ、同9時40分までの1時間に鳴門市北灘町粟田で49ミリの雨を観測した。
 降り始めの3日午後5時から7日午前11時までの総雨量は、那賀町木頭出原338・5ミリ、上勝町福原旭313・0ミリ、海陽町130・5ミリなどとなっている。

 風も強く、美波町で午前10時46分に25・5メートル、阿南市蒲生田で同5時17分に24・6メートル、美波町で同3時55分に24・4メートルの最大瞬間風速を記録した。

 県教委によると、19市町の小中高校計53校が登校日だったが、臨時休校になった。

 県内は午後も雨風の強い状態が続き、北部、南部とも多い所で1時間に80ミリの猛烈な雨が降る見込み。8日正午までに予想される24時間雨量は多い所で北部、南部ともに200ミリとなっている。

 台風5号は午後、近畿に上陸して8日には東日本に達し、その後は北陸や東北沖の日本海に抜けて温帯低気圧に変わる見通し。