徳島市が新町西地区再開発事業から撤退し、多額の負債が発生したとして、地権者でつくる再開発組合が市に対して6億5448万円の損害賠償を求めた裁判の判決が20日、徳島地裁で言い渡された。川畑公美裁判長(異動のため島戸真裁判長代読)は、遠藤彰良前市長による事業からの撤退を「信頼に反する違法な行為」と認定。組合の主張をほぼ認め、市に3億5878万円の支払いを命じた。

 判決理由で川畑裁判長は、05年に原秀樹元市長が再開発事業と音楽・芸術ホールを一体的に整備する方針を示し、組合は再開発費用のほとんどを市からの補助金やホールの取得代金に依存していた点に触れ「市は事業を事実上主導していた」と認定した。

 その上で「事業から撤退した市は組合に対し損害賠償責任を負う」と指摘。組合が多額の負債を抱え、解散できない状態に陥ったことを「社会通念上、看過しがたい損害を被った」とし、14年9月から16年6月までに組合が支出した調査費や設計費、事務費などの賠償を命じた。

 市は「事業主体は組合であり、市ではない」などと主張していたものの、退けられた。

 事業を巡っては、市の撤退後、組合が事業の実施を求める訴訟を16年8月に起こしたが、組合の上告が19年2月に最高裁で不受理となり、敗訴が確定した。

 組合は事業推進のため多額の負債を抱えており、事業の実施を求める訴訟とは別に、18年8月に今回の訴訟を起こしていた。組合の高木俊治理事長(68)は会見で「組合の主張がほぼ認められた。この4年間で地権者は疲弊しており、組合として控訴はしたくない。今から債権者と話し合い、債権の減免を検討していただく」と話した。

判決文を精査

 内藤佐和子市長の話 今後の対応は判決文を精査して弁護士と協議する。その上で中心市街地を、市民に安らぎを与えてくれる、にぎわいのある場所に変えることができるよう、しっかりと対応していきたい。