写真を拡大 藤澤依大さん。素早くピザ生地を練る。

SELECT PASTA&PIZZA F’s KITCHEN 藤澤依大さん(41・徳島市出身)

 夕暮れ時、空が赤から濃紺へと色を変えながら夜の帳が下りていく時間に、イタリア料理店の「F’s KITCHEN」は穏やかな橙の明かりを灯しはじめる。店からはお客の笑い声が漏れ聞こえ、食欲を誘う香りが漂う。

 扉を開けて中に入ると、白と黒のイスが交互に並んだ小ぶりなカウンターと木製のテーブル席が配されている。壁にはイタリアの地図に各地方の名物料理が描かれたタペストリーが飾られている。その隣には、マカロニやチョウチョの形をしたファルファーレなど様々なパスタが図鑑のようにデザインされたポスターが並ぶ。キッチンで腕をふるうのは、店長の藤澤依大さんだ。

 藤澤さんは、23歳で県内の大手イタリア料理店の厨房に入り、料理人としてのキャリアを積み重ねた。「まずは皿洗いからはじめました。包丁を使うのも苦手でしたし、鍋も振れなかった。手を切ったり火傷したりしながら、少しずつ覚えていきました。忙しくて二十代は時間が経つのが早かった」。10年間働き続けるうちに、いつしか料理長を任されるまでに腕を磨いた。

 33歳で退職してしばらくは、徳島市内のイタリアンバルに勤めていた。

 「修業中からずっと自分の店を持ってみたいなと思っていました」。2018年の冬頃から本格的に店を探しだし、徳島市助任橋にある10坪弱の物件と出会った。「狭いお店の方が、お客さん一人ひとりに料理や接客で手厚いサービスを提供できる。ここなら自分とアルバイトさんを1人雇えば営業できるし、大学も近くて理想的な場所だと思いました」。

 そして2019年4月7日、「F’s KITCHEN」として看板を上げた。

写真を拡大 全部で11席。家族連れや学生、女性客が多い。

 料理の主役はパスタとピザ。パスタは味つけとトッピング、麺の量を細かく選べる。味つけは「オーソドックスな普通」を「パンチの効いた味濃い目」「健康志向の味薄め」に変更でき、さらに鷹の爪とニンニクの量の調整をリクエストできる。トッピングはホエー豚ベーコン(150円)やエビ・サーモンなどの魚貝類(各150円)、徳島産トマト(100円)やキノコ(100円)といった13種類の中からセレクト可能。麺はハーフ(元の値段から半額)と大盛り(プラス100円)、メガ盛り(プラス200円)に変えられる。これらを組み合わせて自分好みにカスタマイズできるのが嬉しい。

 ピザは国産小麦100%で生地からこしらえる。練っては伸ばしを繰り返して均等に生地を広げ、焼き上げている。

 日により変わるワインは赤・白・スパークリングが各2本ずつスタンバイ。産地は日本やイタリア、フランス、チリ、アメリカなど。藤澤さんお気に入りのワインがチョイスされている。お客が食事とともにお酒を楽しめるよう、ステーキやカルパッチョなども用意した。ステーキは「阿波尾鶏」や県産豚などを仕入れている。

写真を拡大 (左より)マルゲリータ(800円)、本日のステーキ盛り合わせ(1050円)。(右奥)トマトソース にんにくとパルメザンチーズ(650円)。

 オープンから1年。「常連さんが多くて、週に2、3回いらっしゃる人もいるんです。おかげさまでたくさんの方に愛されるお店になりました。自分で店を持つようになって仕事に対しての責任感が増しました。掃除や料理、接客、当たり前ですが何に対しても手を抜かず、このお店が地域の人に長いこと愛されるよう頑張っていきたいです」。    

 

住所=徳島市助任橋3-20-1
088-661-2141
営業時間=17:30~24:00
金曜、土曜、祝前日17:30~25:00
日祝12:00~15:00、17:30~23:00
定休日=木曜休、不定休

駐車場:あり
完全個室:なし    
多機能トイレ:なし
座敷席:なし    
Wi-Fi:あり
開店:2019年