警察官舎内に侵入し同僚の女性警察官の下着を盗んだとして、住居侵入と窃盗の両容疑で徳島県警に逮捕された鳴門署地域課の男性巡査(23)が「女性警察官の私生活に興味があった」と供述していたことが9日、分かった。同僚のプライベートをのぞき見ようと犯行に及んだとみられる。
県警によると、犯行時間は7月19日未明で、前日の18日、男性巡査は休みだった。午後6時半ごろから同僚らとの飲み会に参加しており、犯行時は相当量の酒を飲んでいたという。
捜査関係者によると、男性巡査は室内を見るために部屋へ入ったことをほのめかし、「下着は、洗濯籠にあったのがたまたま目に付き盗んだ」という趣旨の供述をしている。
男性巡査は自宅からドライバーを持参し、女性宅の窓ガラスの鍵付近を割って侵入していた。ガラスを壊す際にけがをしたとみられ、血を拭いた軍手とドライバー、盗んだ下着は、鳴門市内のコンビニエンスストアのごみ箱にビニール袋に入れて捨てていた。
徳島区検は9日、住居侵入と窃盗の両罪で男性巡査を徳島簡裁に略式起訴した。簡裁は罰金30万円の略式命令を出し、即日納付された。
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徳島県警は9日、男性巡査を懲戒免職処分とした。
監察課によると、警察庁の処分基準などを参考に、事件の悪質性や重大性を踏まえて決定した。笠井祥資(しょうすけ)課長は「犯罪を取り締まる警察官がこのような事案を起こし、極めて遺憾。再発防止に向け、指導を徹底する」とコメントした。
県警によると、県警の懲戒免職処分は、2012年に警察手帳を偽造した小松島署地域課の巡査部長以来。昨年7月には、女性9人のスカート内を盗撮した県警本部会計課係長の警部補が減給10分の1(6カ月)の処分を受け、依頼退職している。