新型コロナウイルスによるマスクの品薄を受け、政府が全世帯に配る布マスクの配達が、県内でもようやく23日に始まる。安倍晋三首相の肝いりで4月に配布を始めてから既に1カ月以上がたち、市中のマスクの在庫は回復しつつある。県民の間には「1枚でも多い方がいい」と到着を待つ声がある一方、「いまさら配られても」とあきれる声も聞かれる。

 日本郵便四国支社(松山市)によると、23日から徳島市を皮切りに配達エリアを順次拡大する。ただ、布マスクが全て届いておらず、配達し終える時期は未定としている。

 「なかなか届かないので自分で作っている人も多い。まずは必要としている人に早く配ってほしい」。上勝町旭の無職藤原サダ子さん(80)は、近所に薬局がなく、街へマスクを探しに行くのも体力的に厳しいと言う。「外出にはマスクが不可欠なので、数があれば安心できる」と到着を待っている。

 一方、徳島市北田宮2の男性会社員(64)は「大都市や教育機関などに優先配布するのは理解できるが、今となっては完全に時機を逸した。マスクが店頭に並んでいるのに、いまさら受け取っても困惑するだけ」とあきれ顔。阿南市那賀川町の主婦(27)は「使い捨てマスクがどこでも手に入るようになり、店で見掛けても買わなくなった。もっと配布が早ければ良かったのに」と話した。

 マスク配布には466億円の事業費がかかっている。徳島市北前川町4の無職男性(75)は「1世帯にたった2枚のマスクを配るより、治療薬の研究開発に投じるべきではないか」と疑問を呈した。

 23日に配達が始まるのは徳島のほか、香川や和歌山など33県。先に配り始めた東京や大阪など13都道府県はまだ完了していない。厚生労働省は配布が遅れた理由について「不良品が確認された妊婦用マスクの回収と検品作業のため」と説明している。