【潮吹岩展望台の桜】太平洋に向かって1本の桜が立つ。海を背景に映える桜は県内では珍しい。灯台の点灯に合わせ、薄暮の時間を待って撮影した=美波町志和岐、4月3日撮影

 山で自然に生えた山桜をはじめ、園芸品種のカンザクラやシダレザクラ、代名詞となっているソメイヨシノなど、桜は品種も多く、県内には数多くの名所がある。

 品種によって開花時期は微妙に違い、ソメイヨシノでも場所によって1週間以上のずれがある。いつ咲いて満開になるのか、毎年のことながらタイミングを見極めながら撮影を続ける。

 「一番美しい姿を」。カメラを構える前からいつも思うことだ。桜並木での花の密度や質感は、天候や撮影する時間の光線の具合で見え方が変わる。これをどう捉えていくかは撮影の難しさでもあり、醍醐味だ。

 3月23日に勝浦町三渓を訪ねて勝浦雛(ひな)桜を撮ったのを皮切りに始まった今年の名所巡り。3月27日に徳島地方気象台がソメイヨシノの開花を発表し、そこから撮影は駆け足になった。撮りたい場所は数多く、気ばかりが焦る毎日だった。

 今年は、新型コロナウイルス騒動と桜の開花が重なり、花見の光景が消えた。今は耐えるとき。来年はみんなが笑顔で花ふぶく春を愛でることができれば。そう願いながらシャッターを切り続けた。

【木屋平のシダレザクラ】大きなシダレザクラが岩にしがみつくようにして生えていた。見上げると、満開の花が傘を広げるように頭上を覆った。大木ならではの迫力だ=美馬市木屋平、3月24日撮影

 

【生名の桜並木ライトアップ】生名谷川に沿って桜並木が約1キロ続く。田植えに備えて水を張った水田に、ライトアップされた桜並木が映り込んだ=勝浦町生名、4月9日撮影

 

【山桜】県北部の阿讃山脈には自生の山桜が多い。花と葉が同時に開き、逆光で見ると花の白さとオレンジ色の葉が山肌に浮かび上がる=阿波市土成、4月4日撮影

 

【クローズアップ】咲き始めたソメイヨシノの花を接写レンズで撮影した。アップにすると桜がバラ科に分類される理由がよく分かる。雨の後で淡いピンクの花びらが映えた=吉野川市美郷、3月27日撮影

 

【夕暮れ時】阿波市市場町の日開谷川に沿う桜並木。訪ねた時はちょうど満開。夕暮れ時のオレンジ色に染まる水面と遠くに見える高越山を重ねて撮影した=4月4日撮影