【峡谷に沿って】白川谷川に架かる鉄橋を通過する2000系。車窓に小歩危峡の緑あふれる山が迫り、吉野川の青い水面を見下ろすビューポイントだ=阿波川口駅-小歩危駅間(三好市)

 JR土讃線は徳島県三好市内の険しい山々を越え、川や谷を何度も渡る。車窓から見える美しい景色の代償というべきか、急坂やカーブが連続する路線は列車にとって負担が大きく、難所と呼べる場所だ。

 1987年に国鉄からJR四国に移行して2年後の89年、山岳地の多い四国向けの特急用車両として2000系気動車が登場した。ステンレスのスマートな車体、くさび形の先頭車両は目を引き、何よりも走行装置に特徴があった。

 世界初の制御振り子方式を採用し、カーブでもスピードを落とさず車体を傾けて通過、坂をものともせず駆け上がる。筆者は導入当時、試運転列車に乗車し、それまでの車両とは比べものにならない安定感に驚いた。

 2000系は所要時間を20~40分短縮、現在も走り続けているものの、登場から30年がたち老朽化が目立ち始めた。2019年には新型の2700系が登場。20年度内にほぼ新型と交代する予定で、一時代を築いた車両が姿を消す。

【カーブを抜けて】2000系の本領が発揮されるカーブ区間。車体を傾け、速度を落とさず通過する。車体の角度はプログラム制御されている=阿波池田駅-三縄駅間(三好市)

 

【鉄橋通過】いくつもの川や谷を渡る土讃線には大きなトラス橋が何カ所もある。ガタンガタンと派手な音をたて2000系が通過していく=三縄駅-祖谷口駅間(三好市)

 

【青空に映える】 鉄道写真の名所である吉野川橋梁のガーター部分を渡る2000系。ステンレスの銀色と青帯が巻かれた車体が青空に映える=箸蔵駅-佃駅間(東みよし町)

 

【無人駅ですれ違い】単線の土讃線では特急列車同士のすれ違いを見ることができる。日が暮れた無人駅で待つ下り列車の横を、上り列車がエンジン音も高らかに駆け抜けていく=三縄駅(三好市)