徳島市の障害者通所施設「れもん徳島アートスタジオ」に所属する知的障害を持つ利用者がデザインや制作を手掛けた、米袋をリメイクしたバッグやグラスアートのブローチが注目を集めている。運営する社会福祉法人カリヨンが、障害者のアーティストとしての自立に向けた技術向上を目的に約9年前から販売している。個性的なデザインが評価されて5年ほど前から県内外の雑貨店などからの注文が増え、ここ1、2年は生産が追い付かなくなることもあるほどの人気ぶりだ。

  「CONDUWA BAG(コンドワバッグ)」と名付けられた米袋をリメイクしたバッグは、渋柿塗りと蜜蝋(みつろう)塗りの2種類があり、3サイズで値段は2000~2500円。渋柿塗りは、日光に当たると色合いが変化して使えば使うほど味わい深く変わる点や、少しの水ならはじくところが特長だ。蜜蝋塗りは要望に応じて利用者にイラストを描いてもらうことができ(500円~)、ペットや人物のイラストを注文する人もいる。

 艶々と輝くグラスアートのブローチ(600~1000円)は、利用者がデザインから考えて板ガラスをカットし、組み合わせて立体的に表現している。細かなパーツをのりで仮止めし、高温度で熱して完全に密着させ、冷ませば完成となる。かわいらしくバリエーション豊かなデザインが目に留まり、通り掛かりで入店して購入する人も多い。

  スタジオには20~40代の利用者6人が在籍し、「CONDUWA BAG」とブローチ以外にも、絵画や、太さの違う針金を組み合わせて動物のオブジェやかごなどの日用品を制作するワイヤーアートを販売している。「CONDUWA BAG」は2018年に東京で開かれたコメの魅力を全国に広めるイベント「OKOME COLLECTION」に、ブローチは大阪のグランフロント大阪で昨年開かれたイベントに出展するなどして徐々に知名度を伸ばし、東京や大阪、福岡の販売委託店から注文が寄せられるようになった。

 

 通所10年目を迎えるアーティストの三谷広さん(28)は、2015年に熟練した技能を持つ人を認定する「県障がい者マイスター」の称号を絵画やグラスアートの部門で受賞している。現在はブローチを作りを担当する一方で、紙芝居を制作して県内の図書館や幼稚園などに訪問して読み聞かせを行っている。三谷さんは「イメージ通りのブローチを作るのは難しいけど、これからも多くの人に喜んでもらえる作品を作り続けたい」と意気込んでいる。

 

 通所4年目の澤泰地さん(21)は今年2月に徳島市の県立近代美術館ギャラリーで行われた「障がい者アーティストの卵発掘展」で、自身が制作したワイヤーアートの大作「要塞砦龍(ようさいとりでりゅう)」が金賞を受賞した。「要塞砦龍」は要塞と竜が一体化した怪獣で、1年半かけて完成させた。現在はワイヤーアートと絵画を専門に活動しており「ワイヤーアートで想像力の限界に挑戦したい」と熱い思いを語っている。

商品の購入は「徳島れもんアートスタジオ」での店頭販売、その他県内外の販売委委託先の店舗にて
問い合わせ 088-676ー2711、住所 徳島県徳島市南新町1丁目15