ペットとして猫を飼う人が全国的に増える中、徳島県内でも「猫ブーム」が到来している。県動物愛護管理センター(神山町)で保護された猫の譲渡数が急増しているほか、猫をテーマにしたウェブマガジンができたり、猫と触れ合うカフェがオープンしたりと、愛猫家向けのサービスも充実してきた。人気の背景には、ストレスや寂しさを解消する癒やしが得られることや、飼育の手軽さがあるとみられる。
猫に関する情報を配信するウェブマガジン「ほにゃけん」は、松茂町の広告会社が昨年5月に始めた。看板猫がいる店や猫関連のグッズの紹介をはじめ、愛猫家同士の婚活パーティーなど多彩なイベント情報なども載せている。
今年3月末時点のアクセス数は約6万1千に上り、田村あい編集長(31)は「想像以上に多く驚いている。窮屈な生活や仕事に疲れているのか、自由気ままに動く姿に憧れて飼い始めたという声もよく聞く」と話す。
猫カフェ「猫nova」(北島町鯛浜)は、2016年11月にオープンした。飲み物スペースと別に、猫と触れ合える「猫エリア」があり、白や黒などの10匹が出迎えてくれる。
土日には多いときで40~50人が訪れるといい、店長の堀江啓示郎さん(27)は「これから飼おうと考えている人も多く来店し、猫の習性についての質問も受ける。核家族化の進行などで世話に手間のかかる犬を飼う人が減っていくことが予想され、猫人気はさらに高まるのではないか」と指摘した。