視覚障害者らと盲導犬でつくる「ハーネス連」が12日、徳島市の阿波踊りに参加し、交通事故で盲導犬とともに亡くなった視覚障害者山橋衛二さん=当時(50)=を乱舞で追悼した。
ハーネス連は2000年、脳血管障害などを患った高齢者らでつくる「寝たきりになら連」に参加した山橋さんが、「視覚障害者でも楽しめる連をつくりたい」と提案し、翌年結成された。当初は県内の視覚障害者だけだったが、年を重ねるごとに県外からの参加者も増えていった。
15年10月に不慮の事故で亡くなった山橋さんを悼もうと、昨年夏も似顔絵を描いたうちわなどを作り、演舞場に繰り出した。
事故の風化を防ごうと今年も参加を決めた。本番を前に、徳島の盲導犬を育てる会の杉井ひとみ事務局長(58)は「連をけん引してくれた山橋さんに感謝を伝えるためにも力いっぱい踊りたい。踊りを通じて、視覚障害者が巻き込まれる事故の再発防止につながればうれしい」と話した。
12日午後7時すぎ、県内外の視覚障害者やボランティアら88人と盲導犬15匹からなる「ハーネス連」が市役所前演舞場に登場。山橋さんや山橋さんと共に命を落とした盲導犬ヴァルデス号の似顔絵が描かれたうちわを手に持ち、腰にはヴァルデス号をイメージしたマスコットを付けて、演舞場を踊り抜いた。
踊り終えた竹内安彦連長(79)=徳島市東大工町2=は「山橋さんも喜んでくれているはず」と話した。
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