徳島市役所

 徳島市が、待機児童の解消策として2020年度当初予算に盛り込んだ私立認定こども園・保育園7カ所の整備に対する補助金の支出見直しを、事業者側に伝えたことが29日分かった。4月に市長が交代し、判断が変わったのが理由とみられる。補助金がないと建設が難しくなり、21年度に約500人を受け入れる計画は、事実上白紙となる。市は財政状況などを理由に挙げているが、準備を進めている事業者から批判の声が上がっている。

 市や事業者によると、補助事業は第2期市子ども・子育て支援事業計画(20~24年度)に基づく。21年3月末までに、市内8カ所に認定こども園4カ所、保育園4カ所を新設・改修し、計496人の定員を増やす予定だった。整備費用のうち国が3分の2、市が4分の1を負担し、市の20年度当初予算に16億2813万円を計上していた。

 市は28日以降になって、昨年から施設整備を進めていた1カ所を除く7カ所の事業者に見直しを伝えた。鈴田善美保健福祉部長は「財政事情が厳しい中、公立を含めた既存施設の利用拡大や保育士不足の解消策など、全体的なビジョンを考え直す必要があると判断した」と述べた。市は今後の対応について市議会6月定例会で報告する。

 一方、市の方針転換に対し、事業者は反発を強めている。ある事業者は、昨秋に市から施設整備の公募案内があり、協議しながら定員の設定や建設用地の検討を進めてきた。市長選後、担当職員から「市長が代わったので事業の内示が遅れる」と言われ、5月29日に補助金見直しの連絡を受けた。経営者は「地域で保護者説明会もしており、市の対応は無責任だ」と憤る。

 別の社会福祉法人は用地取得の契約を済ませ、設計費用など約1500万円を支出した。代表者は「市はずっと準備を進めるよう言い続けてきたので納得できない。損害賠償を考えたい」と話している。