認定証を受け取る大垣副町長(右)=ローマのFAO本部(つるぎ町提供)

 世界農業遺産の認定証授与式が19日、ローマの国連食糧農業機関(FAO)本部であり、県西部2市2町の急傾斜地農法「にし阿波の傾斜地農耕システム」など日本の3県3地域の代表者に認定証が手渡された。

 徳島からは2市2町の官民でつくる「県剣山世界農業遺産推進協議会」の関係者11人が出席。つるぎ町の大垣浩志副町長が認定証を受け取り「急傾斜地農法は先人たちの知恵の集大成。誇りを持ち、次世代へ受け継いでいきたい」とあいさつした。

 徳島大総合科学部の内藤直樹准教授(生態人類学)は、土の流失を防ぐためにカヤを土に敷き込むことや、独自の農機具が開発されてきたことなど、農法の特徴を紹介した。

 日本で他に認定されたのは宮城県大崎地域の稲作と静岡県の伝統的なワサビ栽培。

 徳島の一行は20日に各認定地域の関係者と意見交換。21日に帰国の途に就く。

 世界農業遺産は、伝統的な農林水産業や文化、景観、生物多様性などの観点から重要と判断した地域を認定。日本からはこれまで、石川県能登地域や新潟県佐渡市など11カ所が認定されている。