写真を拡大 定本さんが着ているブルーのシャツは1950年代のもの。

USED&VINTAGECLOTHING EAST 店主 定本賢人さん(22・徳島市出身)

 徳島駅前のポッポ街商店街で人生の勝負をかけた定本賢人さん。「古着屋をする」という夢を弱冠21歳にして実現させた。

 モノトーンでまとめたシックな外観がアーケードによく映える。中に入れば年代もののデニムやTシャツ、ミリタリージャケットなど古着が所狭しとひしめく。「子どもの頃から何を着るか考えるのが好きでした。中学時代は南新町の古着屋PAPAHOUSE(ぱぱはうす)にしょっちゅう通ってましたね」。高校生になってからは大阪・アメリカ村や東京・原宿にも遠征するようになったが、「よく考えたら県外へ行くバス代、もったいなくね?って思って。そのお金で服買えるしね。地元に好きな服を買える店があったらええよな、自分で店しよかなって考えだしたんが高1の頃です」。

 高校には進学したものの学校生活に自分の未来が描けず、2年で自主退学した。しばらく日雇いの仕事をしてお金を貯め、自分で店をするための経験を積もうと17歳で大阪へ。「アメ村の古着屋さんに拾ってもらって働き始めました。毎日毎日膨大な量の古着に触れるうちに、作られた年代がいつか、どんな価値があるか、目利きできるようになりました」。店での販売だけでなく、スタイリストのサポートとして芸能人やアーティストの衣装をセレクトすることもあった。「自分のセンスは間違ってないっていう過剰な自信を持って(笑)、二十歳のときに徳島に帰ってきました」。

 帰郷後は建設現場で働きながら開業資金を貯め、2019年6月、21歳で独立を果たした。「自分が高校生のとき、学校帰りはカフェ行って古着屋めぐってっていう遊び方をしたかったんです。今、東新町周辺に何軒か古着屋さんがあるので、自分がポッポ街で店することでイイ感じに散らばるから、お客さんが周遊できるなって思ってこの場所に決めたんです」。

写真を拡大 ポッポ街の西側の入口付近にある。

 商品は定本さんがアメリカ・西海岸で買いつけたものが多い。「ヒップホップの聖地コンプトン(カリフォルニア)でヴィンテージのTシャツを値段交渉しながら買ったりしてます。業者が行く古着倉庫にも行くけど、ローカルでいいもんを探す。そこには奇跡みたいな出会いがあるから面白いんです」と愉快そう。90年代のアイテムを多く揃えているが、中には1930年代に縫製されたセーターや1950年代のリーバイスもある。「古着の魅力はすべてがオリジナルってこと。それに尽きますね」。

写真を拡大 取り扱うのはメンズだが、大きめのサイズを買って着こなす女性も珍しくない。
写真を拡大 ボタン下の刺繍が粋なシャツ。Tyrolean shirt(8900円)。
写真を拡大 目玉が印象的なポップなTシャツ(5900円)。

 学校帰りに立ち寄る高校生や「オイ〜ッス」と入ってくる常連客。定本さんの気さくな人柄に引き寄せられ、知人の家に集うようにお客がやってくる。「俺のことを『高校中退してロクな人生送れん、社会不適合なやつ』って思ってた人おると思うけど、好きなことで生きていけるっていうのを証明したいんですよね。今、学校行かずに引きこもっとるヤツもおると思うけど、いろんな道があることを知ってほしいですね」。

 

住所=徳島市寺島本町西1-1-59
営業時間=11:00~20:00
定休日=不定休
駐車場:なし
キッズスペース:なし    
多機能トイレ:なし
開店:2019年    
Wi-Fi:なし