事業の見直しについて説明する内藤市長=徳島市役所

 徳島市の内藤佐和子市長が3日の会見で明らかにした私立認定こども園・保育園7カ所の整備に対する補助金支出の見直しを受け、これまで市と協議しながら整備を進めてきた事業者からは批判や不満の声が相次いだ。具体的な説明がないまま計画が事実上白紙となったことに対し、事業者らは「一方的だ。市長がよく言う『対話重視』とは何なのか」と不信感を強めている。

 内藤市長は市役所で開いた会見で、見直しの理由の一つに過剰な定員確保につながる可能性を指摘した。ある事業者は「そもそも定員を約500人増やそうと計画したのは徳島市だ。それを覆すのは間違っているのではないか」と憤る。これまでに用地確保などのため、1千万円以上を支出しており「来春の開園に向けて準備を進めていた。市が責任を取って補償をするべきだ」と語気を強めた。

 また、ある施設は市担当課の了承を得て建設予定地を確保したが、県から市に土砂災害警戒区域に当たるとの指摘が3月までにあり、場所を変更した。これについて、内藤市長は「変更を(市議会の)委員会に正式に報告しておらず、既存の保育施設とのバランスもある」と疑問視した。

 この施設を整備していた社会福祉法人の理事長は「市議会に説明をしていないとの理由は市の問題であり、納得できない。経費の問題も含めて裁判で明らかにしたい」と主張。4日、市に抗議文を提出する考えを明らかにした。

 別の事業者は、厳しい市の財政事情に一定の理解を示しつつも、4月の市長選で内藤市長が公約に掲げていた「対話を重視した市政の推進」に触れて「見直しについての説明が一切なく、乱暴だ」と漏らす。

 事業の見直しを受け、市議会は8日に子育て・健康長寿特別委員会、9日に文教厚生委員会を開く。特別委の齋藤智彦委員長は「待機児童対策は積極的に進めなければいけない課題だ」とした上で、「事業の透明性も含め、内容が精査されていたのか疑問が残る。委員会で熟議したい」と話した。