外出自粛の影響で、売り上げが伸びている移動スーパーのとくし丸=徳島市内

 新型コロナウイルスの流行が続く中、軽トラックによる移動スーパー事業を全国で展開する「とくし丸」(徳島市)が人気を集めている。買い物弱者の支援が本来の目的だが、外出自粛の意識が高まったことで市街地を中心に利用者が増えている。同社は「感染症への不安が強まる中で移動販売の情報が広く届き、必要性が再認識されたのだろう」としている。

 沖縄県を除く46都道府県で543台の販売車が稼働している。クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」で感染が確認された2月から全国的に利用者が増え始め、東京、大阪など7都府県に緊急事態宣言が出された4月上旬以降、拍車が掛かった。1日当たりの利用者数、売り上げとも全体で1割程度伸びている。

 29台が動く県内でも住宅街や中心市街地など人口が密集するエリアで増加が目立つ。屋外に駐車したトラックで気軽に買い物でき、「3密」を避けられるため利用者の安心感につながっている。車などでの移動が困難な高齢者だけでなく、普段はスーパーを利用している人や子育て世帯などの需要を取り込んだ。

 徳島市中心部を巡回する販売員(44)は「いつも1人しか来ない販売場所でも、緊急事態宣言中は毎回5人来ていた。こんなことは今までになかった」と驚く。同市の70代女性は「5年前に夫が肺の手術をしたので、感染を心配してスーパーにほとんど行かない。とくし丸が来てくれてすごく助かっている」と話した。