県立学校が本格的に再開し、「3密」が起きている牟岐線の列車内=1日午前7時50分ごろ、徳島駅

 新型コロナウイルスの影響で臨時休校となっていた徳島県立学校が6月から本格的に再開し、朝夕の登下校時間帯の一部列車で「3密(密閉、密集、密接)」状態が生じている。感染拡大を防ぐため、沿線などの15校はJR四国に車両の増結を要望したものの、空き車両がなく、増便もできていない。JR側は分散登校や時差通学で混雑を避けるよう求めているが、休校による授業の遅れを取り戻したい学校側にとっては受け入れ難いのが現状だ。

 徳島駅によると、最も混み合っている便は午前7時50分徳島発阿南行きの普通列車(2両、定員約250人)。出発時の乗車率は100%で、隣の人と肩が触れ合う。車内には「入り口付近は混み合うのでできるだけ中に詰め、人と人との間隔を空けてください」とアナウンスが響くものの、すし詰め状態だ。

 1本前の便や午前7、8時台の徳島―佐古駅間の一部でも3密になっているほか、夕方は午後4、5時台の牟岐線の上り便などで混雑が目立つという。

 列車通勤している40代の男性公務員は「少し前は人との間隔が1メートルほどあったけど、学校が始まってから3密になった。車内でクラスター(感染者集団)が起きないか不安だ」と話す。

 休校中の4月下旬、県南部の高校と特別支援学校計10校を代表して小松島高の片山真樹校長が、県北部の5校は徳島北高の桂啓人校長が、徳島駅を相次いで訪問。学校再開後の3密回避に向け、通学時間帯の列車の増結を要望した。

 これに対し、矢野秀樹駅長は「朝夕は最大限に車両を使っており、増結は難しい。他の便に影響が出るため、運行ダイヤも変えられない」と回答。生徒の感染予防策として、学年別の分散登校や始業時間を遅らせることなどを提案した。

 しかし、休校期間は3月上旬から3カ月近くに及んでおり、両校長は「分散登校や始業遅延を取り入れると、授業が思うように進まなくなる。通常通りの登校で授業時間を確保し、学習の遅れを取り戻したい」と口をそろえる。

 県教委体育学校安全課は、登下校時の感染予防策については周知できているとした上で「ようやく通常の教育活動を促せるようになった。今になって分散登校や時差通学は難しい」との見解を示した。