何年営めば老舗と呼べるのか。庶民感覚としては100年が相場ではと思うのだが、専門的な見地では違うようである。全国あまたの企業を相手にする信用調査会社の定義では「創業30年以上」だという

 創業100年を超える店や企業が千を下らないといわれる京都では苦笑されそうだ。それでも、継続というのはなかなか難しい。中小企業白書の2011年版には、企業の「生存率」は創業10年で70%、20年で52%との調査データが示されている。創業後の淘汰(とうた)は実に厳しいものがある

 春恒例の「はな・はる・フェスタ」がきょう、徳島市中心部の新町川沿い一帯で開幕する。節目の年を迎えた明石海峡大橋と歩みは同じだ。20年である

 大橋開通を記念し、1961年から続いていた「徳島まつり」を吸収、発展させるかたちでスタートした。企業に例えれば、先代から事業を引き継ぎ、大勢の顧客に支持されて今に至る-といえようか

 食に、踊りに、毎年ニーズを探りながらイベントを展開し、淘汰されずにきた。ことしの内容も春の阿波踊りにグルメ横丁、県出身バンド・POLUのライブなど盛りだくさんである。「はな・はる」として老舗の30年を目指したい

 開催2日間は晴れ模様だが、夏の陽気になる見通しだという。来場に際しては暑さ対策を怠らないよう、くれぐれも。