オンライン授業の有効性などについて語る石坂准教授=鳴門市の鳴門教育大

 新型コロナウイルスで生じた教育面の課題について専門家に意見を聞いてほしい―。9月入学制への賛否などを報じた2日付の徳島新聞記事に関し、「あなたとともに~こちら特報班」にこんな依頼が寄せられた。いまだウイルスの収束が見通せない中、授業や受験は今後どうあるべきか。鳴門教育大大学院の石坂広樹准教授(教育政策)に聞いた。

 ―2日付の記事ではオンライン授業の拡充を求める声が多かった。

 オンライン授業については、当初は教育効果が薄いのではないかと懸念していた。しかし、大学で実際にやってみると、一人一人の顔を見ながら授業ができ、記録に残るので復習もしやすいことが分かった。学生にも好評で、有効性を実感している。コロナ禍の第2波、第3波に限らず、今後別のウイルスの感染が広がると教育は崩壊する。今のうちから対面とオンライン授業を意識的に併用し、いつでもオンラインに切り替えられる環境をつくっておく必要がある。

 ―オンライン授業の課題は。

 学校のタブレット端末導入率は県内でも市町村によってばらつきがある。端末だけでなく、各校に技術的な職員を配置して「人」の育成も進めなければならない。通信環境の整備も大きな課題だ。家庭によって画面がフリーズしたり、音声が途切れたりする不具合が生じるのではまずい。学校レベルではなく、国と県が共同で対策を検討していかないといけない。

 ―コロナ禍で生じた学習の遅れを取り戻すには。

 県内の市町村でも夏休みを短縮したり、土曜授業を導入したりしている。本来の学びを保障するには、子どもも学校もある程度無理をしないと仕方がない。それでも、県内の全学校でカリキュラムを一様に終わらせるのは難しいかもしれない。学び残しが生じた場合は、小6は中1で、中3は高1でフォローできるよう小中連携、中高連携の仕組みをつくっておくことが重要だ。

 ―保護者からは入試に関する不安も出ている。

 学校によって学習の進捗度合いに差が出てくる恐れがある。この問題を解消するために、県教委には学校に聞き取りをした上で高校入試の出題範囲をカットするといった対策を講じてほしい。大学入試に関しては国が何らかの指針を出す必要がある。

 ―開催できなかった学校行事や大会への対応は。

 高校野球など運動部の大会を県単位で開くのは素晴らしいアイデアだ。同じような取り組みが市町村単位でも広がってほしい。文化系の部活動も同様で、地域での発表会を設けるなど練習の成果を披露できる場をつくってほしい。遠足や修学旅行、運動会などを実施するかどうかは、保護者の考えを聞くなどして個々の学校で判断すべきだろう。