東京五輪に採用されたサーフィン。今後メジャー競技となるか=8月4日、阿南市の蒲生田海岸

 東京五輪に採用されたサーフィン。日本サーフィン連盟(NSA)の強化指定選手には多くの徳島県関係の選手も名を連ねるが、スポーツとしての認知度はまだ低い。県サーフィン連盟などは国体の正式競技とすることでメジャー競技へと発展させ、普及や強化につなげる青写真を描く。
 
 国体ではサーフィンは正式競技ではなく、公開競技の一つ。いわばレジャーの扱いだ。県連盟などが加盟するNSAは東京五輪での採用決定を受け、サーフィンを国体の正式競技とするよう、主催の日本体育協会と協議を重ねている。
 
 正式競技となるためには、都道府県の各サーフィン連盟がそれぞれの体協に加盟することが必要。約半数の加盟が目安となるが「これまでに徳島、宮崎、和歌山の3県しか加盟していない」(NSA)という。
 
 個人スポーツのサーフィンは競技団体の規模が小さく、財政基盤も弱い。体協に加盟すれば、その他の競技大会への運営協力なども必要になるが、実際に応じられる余力がある競技団体は少ないとみられ、体協への加盟が進んでいない要因の一つになっている。
 
 徳島県内には海陽町や阿南市、徳島市などにサーフスポットが点在し、県外からの移住者も多い。
 
 「野球やバレーボールなどでは選手の県外流出が懸念されているが、サーフィンは逆。各地から徳島に集まってきている」と阿南市でサーフショップを経営する武知和一さんは話す。にもかかわらず、サーフィンがスポーツとして理解されることは少なく「気ままな遊びと思われている」。
 
 競技を始めたい場合は、身近にいる経験者に教わるしかない。他の競技と違って「強化や育成、指導は個人任せ」(関係者)というのが実情だ。
 
 しかし、サーフィンが国体の正式競技になると、強化の対象となるため、行政の支援が期待できる上、育成や競技を行う環境が整いやすくなる。
 
 県体協は競技力向上や普及に加え、低迷が続く国体の順位アップという観点からも、サーフィンを正式競技にしようという動きを歓迎する。
 
 NSAによると、世界大会のランキングなどを基にした男女81人の強化指定選手のうち県関係は9人。県体協は「有力選手が多く、順位の押し上げに貢献してくれるはず」と期待する。
 
 県連盟は国体への採用を働き掛けると同時に、高校の部活動への導入も提唱している。新居徹也理事は「部活動など学校教育の一環に組み込まれると、中学、高校生らが今以上に大会などに参加しやすくなる」と指摘する。
 
 全国的にもサーフィン部があるのは、千葉県鴨川市の文理開成高などわずか。学校スポーツとサーフィンは今は無縁だ。安全管理や指導者確保などの点で課題は多いとはいえ、新居理事は「数多くのサーフポイントがある県南部の高校などに新設できれば、意義は大きい」と訴える。
 
 東京に続いてパリ、ロサンゼルスの両五輪での実施が確実視され、少なくとも10年余りは競技熱が続くと予想されるサーフィン。国内では国体など主要大会での実施や、高校の部活動での普及がメジャー化の鍵となりそうだ。