専用の装置で窒化アルミニウムを生成する永松准教授=徳島市の徳島大常三島キャンパス

永松准教授

 徳島大ポストLEDフォトニクス研究所の永松謙太郎准教授(半導体工学)が、新型コロナウイルスに対して高い殺菌効果が見込まれる深紫外線LEDを長寿命化させる研究に取り組んでいる。深紫外線LEDは熱に弱く、1万時間程度しか使うことができないとされる。発光効率を高めるため、構成化合物の一つである窒化アルミニウムの高品質化を目指しており、長寿命化が実現すればエアコンなどの家電への普及も期待される。

 永松准教授によると、深紫外線は水や空気を除菌でき、DNA、リボ核酸(RNA)に直接作用するため、インフルエンザやノロウイルスといったウイルスを殺菌する効果が認められている。新型コロナウイルスについても、宮崎大などが行った照射実験で感染力を99・9%以上低下させる結果が確認された。

 一方、LEDを構成する窒化アルミニウムなどの品質が低いと、通電した際に「発光層」で熱が生じ、劣化していく。幅広い家電に実装するには、放熱させるための冷却装置を追加するか、LED自体の長寿命化が必要となっている。

 永松准教授は、通電の際に生じる熱エネルギーを低減させるには窒化アルミニウムなどを高品質化する必要性があることに着目。窒化アルミニウムは生成時に高温であればあるほど品質が高まる一方、現在は高温処理できる装置が世界にないため専用の装置を設計。装置の改良を行いながら、窒化アルミニウムの生成を重ね、安定化や増産方法について試行錯誤している。

 今後は、高品質な窒化アルミニウムなどを組み合わせた深紫外線LEDを開発し、発光時間を検証する。永松准教授は「まずは3万時間発光するLEDの開発を目指している。深紫外線は感染症対策にかなり有効なので、迅速に社会実装できるよう研究を進めていきたい」と語る。