ブロック塀の耐震性調査を行う建築士ら=2019年9月、小松島市和田島町

 小学校のブロック塀が倒れて女子児童が亡くなった大阪府北部地震の発生から18日で2年がたった。この地震を受けて県と県建築士会、徳島大環境防災研究センターなどが昨年8~10月に徳島、小松島、美波の3市町でブロック塀の耐震性調査をしたところ、99・5%の塀が安全面に問題があると判明した。震度5強で倒壊もしくはその可能性があるのは89・2%に上り、南海トラフ巨大地震などが起きると避難路の寸断や塀の倒壊による死亡事故の発生が想定される。専門家は「県内全域で同様の状況が推測される。官民一体で対策を講じる必要がある」と指摘する。

 調査は県の「地域の安全確保モデル事業」の一環で、徳島市津田地区、小松島市和田島町、美波町日和佐地区の計1262カ所で実施した。県職員や建築士らのほか、センターの上月康則教授(地域防災学)の研究グループが民家の塀を中心に高さや厚さ、ひび割れの有無、傾き、損傷状況など16項目を調べた。

 上月教授によると、震度5強で倒壊の可能性が高い「倒壊」が152カ所(12・0%)、倒壊の恐れがある「強度不足」が974カ所(77・2%)に上った。倒壊の恐れは低いものの、安全性に問題がある「劣化」も130カ所(10・3%)を数え、安全性に問題がなかったのは6カ所(0・5%)にとどまった。

 問題があった1256カ所のうち、905カ所では高さが1・2メートル以上あるにもかかわらず、強度を高める「控え壁」が設置されていなかった。ひび割れは695カ所、損傷は406カ所で確認された。

 ブロック塀は民家の境界画定や防犯、防火の観点から高度経済成長期に普及。今回の調査箇所も多くが20年以上経過し、老朽化していたという。

 全国では危険なブロック塀の削減に成功した事例もある。東京都国分寺市高木町では1978年から自治会などが中心となってフェンスや生け垣を推奨する取り組みを実施。市が緑化推進を目的に生け垣の造成に対して設けた補助制度も後押しし、町内のブロック塀は大幅に減った。

 上月教授は「避難路の安全を確保するためには、地域主体の取り組みが広がる必要がある。ブロック塀改修のための行政の補助金は増えており、住民も有効活用してほしい」と話す。

 県は調査結果やブロック塀の改修例などをまとめた冊子を3千部作製。県庁に置いているほか、防災イベントなどで配る。耐震性調査は本年度も徳島市や美波、牟岐両町で行われる。

ブロック塀の危険性 建築基準法で▷高さ2・2メートル以下▷内部に鉄筋を縦横に配置▷高さ1・2メートル以上の塀には控え壁を設置―などが義務付けられている。手で押すと傾いて揺れたり、地面に近い部分が損傷したりしている場合は特に倒壊の危険性が高い。1978年の宮城県沖地震ではブロック塀などの下敷きになって18人が死亡。2018年の大阪府北部地震でも高槻市の小学生ら2人が倒壊したブロック塀の犠牲になった。