記者会見に応じる富岡西高校の森保裕教頭=阿南市の同校

 1年生4人が事故に巻き込まれた阿南市の富岡西高では25日夜、教員ら約60人が被害状況の把握などに追われた。意識不明となっていた森下汐音さん(15)が亡くなったとの知らせが入ると、ショックと動揺が広がった。

 同校には、警察などから連絡を受けて25日午後6時半ごろから、教員が集まった。徳島市や鳴門市の病院に出向いて情報収集に当たったほか、森保裕教頭(59)らが職員室で保護者に連絡を取り、病院に行った教員や警察、報道陣の問い合わせへの対応に追われながら、生徒の無事を祈った。

 同9時ごろ、森下さんが搬送された病院にいる教員から訃報の連絡が入ると、職員室に落胆の声が漏れ、涙ぐむ教員もいた。

 同10時半から森教頭が記者会見。生徒の容態や亡くなった森下さんの学校生活などについて説明し、「将来の夢に向かって真剣に取り組んでいる生徒でした。その帰りに事故に遭い、とても残念で痛恨の極み」と言葉を振り絞った。

 鳴門渦潮高でも、中田寛志校長と平山義朗教頭が午後8時ごろまで、巻き込まれた1年生2人に関する情報収集などに当たった。

 中田校長らによると、事故直後に生徒の1人が携帯電話で両親に連絡しようとしたがつながらず、担任教諭に連絡。動揺した様子で「トラックが追突してバスが落ちかかっている」と話した。2人ともバスに閉じ込められていたとみられ、担任が「救助の人も向かっているので」などと励ますと、安心した様子だったという。

 中田校長は「2人とも大事に至らなくて安心しているが、かなりショックを受けているはずなので、心のケアはしっかり行いたい」と話した。

 女子生徒3人が県立中央病院に運ばれた徳島北高でも、生徒の安否確認や報道陣への対応などに追われた。


 ◆死亡のバス運転手岡本さん 真面目で優秀、子煩悩

 亡くなった岡本勉さん(30)が勤めていた阿波中央バス(阿波市阿波町下原)によると、岡本さんは関西の大手バス会社で路線バスの運転手を務めていたが、阿波中央バスの社長の娘と結婚し、昨年6月に入社した。真面目で優秀なドライバーだったという。

 マイクロバスは午前8時に徳島駅を出発し、神戸国際調理製菓専門学校に向かった。同校を出たのは午後2時半。同4時半に徳島駅に到着する予定だった。事故前、バスがエンジントラブルを起こした可能性があるとの連絡が岡本さんから入った。同社が代替バスを現場に向かわせていたところ、県警から事故の一報が入った。

 社員によると、岡本さんには今年小学校に入学したばかりの息子がいて、子煩悩な父親だったという。将来は社を支える存在で、ある社員は「岡本さんはまだ若いのに…。悔やんでも悔やみ切れない」と話した。