【天の川】月の明かりがない新月の夜、天を横切る天の川を撮影すると、肉眼では見えない部分まで鮮明に写る。無数の星に宇宙の神秘を感じる。

 

 新月の日、徳島県三好市東祖谷の落合峠を訪ねた。祖谷山系の主峰・矢筈山(やはずやま、標高1849メートル)と寒峰(かんぽう、標高1605メートル)を結ぶ尾根筋にあるこの場所は、山に囲まれ人工光が干渉せず、日が暮れると辺りは闇に包まれる。見上げると光を散りばめたような星空が広がり、肉眼で天の川がくっきり見える。

 満天の星に目が慣れてくると周囲がほのかに明るく感じるようになる。「星明かり」という言葉があるが、まさに実感する場所だ。

 古くから祖谷地方を連絡する幹道の峠として開かれた落合峠。標高1520メートルの高所にあることから、県内でも有数の眺望スポットとしても知られる。

 日中は雄大な景色が広がる。南に四国山地が連なり、正面には大きな山容の三嶺とピラミッドのような天狗塚が存在感を放つ。西にどっしりと構えるのは寒峰で、東が矢筈山。新緑のこの時期は山々の緑がまぶしい。

 四季折々、訪れた時間帯や天候でさまざまに変化する山と空。いつ来ても見飽きることのない絶景のクライマックスは夜の星空だ。

【原生林】落合峠の北斜面にはブナやミズナラの原生林が残る。新緑の時期、鮮やかな緑色が目にまぶしい。

 

【瀬戸内海遠望】峠から矢筈山への登山道を少し登ると瀬戸内海が遠望できる。香川県丸亀市付近の島々が、夕焼けに赤く染まる海に浮かんでいた。

 

【夕日】峠の北西に見える独特の形をした烏帽子(えぼし)山。夏はこの山頂に日が沈んでいく。たなびく雲が日によって赤や黄色に染まる。

 

【大パノラマ】峠から南方向に広がる180度のパノラマ。標識の向こう側に四国山地の高峰が連なる。

 

【星の軌跡】夜間、長時間露光をすると星の軌跡を撮影することができる。数え切れないほどの星が筋を描く。

 

【日の出】矢筈山の肩越しに朝日が昇ってきた。稜線を覆うクマザサが朝露にぬれ、黄金色に輝く。