梅雨に入り、蒸し暑い日が続いています。気温、湿度、そして雨、さらに今年は新型コロナウイルス。ランニングから遠ざかる理由には事欠きません。「そんなに嫌なら走らなければいいのに」と、思われる人はいるでしょう。でも、ぶつぶつ言いながらも走ってしまうんです。
緊急事態宣言の解除を受け、市民ランナーが集うサークルやクラブが少しずつ動き出しています。以前、参加させてもらったランニングクラブ「順風」も約3カ月ぶりに活動再開。ということで、6月7日に石井町のOKいしいパーク飯尾川運動公園であった練習会で汗を流してきました。
当日は見事な晴天。まるで皆さんの心を表しているようです。集まった約30人のほとんどがマスク代わりにカラフルな布で口元を覆っていました。定着していますね。「密」にならないよう、ソーシャルディスタンス(社会的距離)を確保しながらの練習です。
メニューは1時間走。それぞれ自由なペースで、1周1キロの公園周辺をぐるぐる走ります。
「最近の練習は10キロ走るのがやっとなんよ。どうもモチベーションが・・・」とサブ4(フルマラソンで4時間未満の完走)常連の男性ランナー。分かります、分かります。私も勇んで走り出しますが、「10キロ」地点に空想のゴールテープが見えます。それ以上の距離は数日前から心の準備をしていないと。ランナー同士で共有できる思いはありがたいです。
1キロ6分ペースで淡々と走っていたら、汗がだらだら。日射しが強く、午前9時過ぎには気温も20度は超えていたでしょう。口元を覆う布が息苦しさに拍車を掛けます。6周目には大分体が重たくなってきました。「目の前に順風さんの特設エイド(給水所)があるでよ。こちらも営業再開!」と心の中の“リトル(矢)”。お邪魔します。
もう一踏ん張りに向けて大好きな炭酸飲料を1杯。飲み足らずに1杯。最後にもう1杯。駄目なパターンです。そこへ、見るからに経験値が高そうな女性ランナーが登場。ウルトラマラソン(100キロ)を主戦場として活動しているそうです。
1カ月の走行距離は500キロだとか。全国各地のウルトラマラソンの大会を転戦しています。真似できません。話を聞くだけでお腹いっぱいになりました。市民ランナーの世界も奥が深いですね。
練習時間は残り十数分。アスリート風に言うならば「流して」、実際は「スイッチオフ」で終了です。1時間の走行距離は9キロ。十分です。実はこの日の早朝、友人と約10キロ走りました。1回で10キロ以上が無理なら、練習を2回に分けて距離を稼ごうと。洗濯物は増えますが、まだ妻の怒りのリミッターは振り切れていません。たぶん。
まあ何にせよ、練習会で皆さんの姿を見ると、少しずつ日常生活が戻ってきているのだなと安心できました。いろいろな話も聞け、モチベーションの維持・向上になります。順風の加藤順曠(のぶひろ)会長(77)は「まだまだコロナの影響があって完全に安心はできないけど、こうやってみんなが集まれるようになって良かった」と話していました。その通りですね。
7月には、徳島走RUN会主催の「大阪峠ラン」も再開。マラソン大会がない今、こうした練習会は本当に貴重な存在です。自粛期間中にさぼらずしっかりと走り込んでいたのかを確認できる機会になります。自信になるのか、反省になるのか。私は後者です。たぶん。(矢)