亡くなった運転手とのやりとりについて報道陣に説明する庭井専務(奥)=阿波市阿波町の阿波中央バス

 鳴門市の徳島自動車道下り車線で起きた大型トラックによる追突事故で死亡したマイクロバス運転手岡本勉さん(30)=阿波市阿波町綱懸=が勤務していた阿波中央バス(阿波市)の庭井永祐専務(60)が26日、事故前の岡本さんとの携帯電話でのやりとりの内容を明らかにした。岡本さんは「水温計が上昇している」と、バスのエンジンに異常が発生したため路肩に停車したと説明したという。

 同社によると、バスは三菱ふそうトラック・バス社製で2012年8月に中古で購入。今月9日に行った点検時の総走行距離は約20万8千キロだった。これまで走行中のトラブルはなく、事故があった25日の出発前の点検でも異常はなかった。

 岡本さんから運行管理者の庭井専務の携帯電話に連絡があったのは25日午後4時28分で、エンジンの冷却機能に異常があり、バスを路肩に止めたとの報告だった。庭井専務は、その場で待機するよう指示した。

 同35分、岡本さんから再び電話があり、状況に変化がみられないことや、乗客の高校生らが代替バスへの乗り換えを了承したことを報告。庭井専務は「代替車を向かわせるので(後続車に示す)停止表示板を置くように」と求めた。

 さらに7分後に庭井専務が岡本さんからバスの停車場所を確認し、専務ら2人が代替バスで同社を出発した。現場に向かう途中で岡本さんに何度か電話をかけたがつながらなかった。

 同社が四国運輸局の指針に沿って作った「安全管理マニュアル」によると、緊急時にはまず乗務員が運行管理者に連絡した上で、指示を受けることになっている。岡本さんからの報告内容が▽バスが完全に路肩に入った状態で停車していた▽会社から現場までの所要時間が30~40分だった―などから、乗客の承諾を得た上で代替バスを向かわせる判断をした。

 庭井専務は「最初の連絡時には事故が発生していなかったため乗客を車外に避難させなかった。運行管理者として最善を尽くした」と説明。その上で「ご迷惑を掛けてすみません」と謝罪した。