福祉施設に寄付するため、マスクを集める瀧本さん(右)=徳島市栄町1の「しなり」

 コロナ禍で人出が減った徳島市の繁華街の一角で小料理屋「しなり」(栄町1)を営む瀧本美穂子さん(55)が、福祉施設に届けるため、マスクの寄付を募っている。「感染への不安や経済的な大変さから、自分のことばかり考えがちな時期だから、人のために何かしませんか」と呼び掛けている。

 「しなり」はカウンター席と個室ひとつのこぢんまりした店。11年前に瀧本さんが始めた。毎晩、カウンターの前にはハンバーグやきんぴらゴボウなど総菜をいくつも並べる。客のほとんどは常連だ。

 しかし、新型コロナウイルス感染を防ぐための「ステイホーム」の広がりで、4月以降に客は激減。5月までは客がゼロの日も多かった。6月も客の入りはコロナ禍以前の5割ほどという。

 経営には悩むし、政治に言いたいこともある。でも「考えると、私はご飯も食べられるし、家もある」。現状を前向きに捉え、5月末にマスクを集め始めた。

 寄付先に思案していたところ、知り合いの連合徳島中央地域協議会の宮本武司議長(51)が橋渡し役を買って出た。6月初旬、協議会として各地にマスク回収箱を設置する「#あつめマスク」プロジェクトをスタート。必要とする福祉施設に届けることになった。

 「『感染せんように』から始まって、みんな自分中心になりがち。でも、マスクを集めていたら、みんなが協力してくれる。優しさを感じてます」と瀧本さんは言う。

 #あつめマスクプロジェクトのマスク回収箱は、連合徳島中央地協の構成労働組合事務所など約30カ所に7月末まで設置。集めているのは、未開封の使い捨てマスク、既製の布マスク、政府支給のマスク。手作りマスクは対象外。回収箱設置を希望する店舗も募っている。問い合わせは連合徳島中央地協〈電088(623)4105〉。