バス追突事故発生直後の現場=25日午後5時すぎ、鳴門市大津町大幸の徳島自動車道(読者提供、ドライブレコーダーから)

 鳴門市大津町大幸の徳島自動車道下り車線で25日、マイクロバスに大型トラックが追突し16人が死傷した事故で、トラックの後ろを走っていた運転手の男性が徳島新聞の取材に応じ、「トラックはノーブレーキでバスに衝突したようだ」などと話し、追突直前にブレーキ灯は点灯していなかったと証言した。「マイクロバスは走行車線にはみ出す形で停車していたように見えた」とも語った。県警はこの男性ら関係者から話を聞くなどして、事故原因を詳しく調べている。

 証言したのは、神戸市の鉄工業の男性(57)。事故直前、トラックの後続車を運転していた。男性によると、トラックは鳴門ジャンクション付近で、車線を変更して男性の車の前に入ってきた。しばらく走ると緩やかなカーブになっており、数百メートル手前から停車中のマイクロバスを確認できたという。

 男性はバスをよけようと事故現場手前で減速したが、前を走るトラックはスピードを緩めることなくそのまま衝突。男性によると、衝突時、ブレーキランプは点灯していなかった。「バスに近づいても減速する気配がないので、おかしいと思った。運転手はバスに全く気付いていなかったのではないか」と振り返った。

 県警は衝突後、トラックが40メートルにわたり前方にバスを押し出し、20メートルほど単独で進んで停車したとしている。

 また、バスは左斜め方向を向いて路肩に止まり、車体の右後方部分が走行車線にはみ出していたように見えたという。

 一方で、現場付近に差し掛かるまで「トラックの走行状態に不審な点はなく、普通に走行しているように見えた」とも話した。

 県警はこの男性からの聞き取りのほか、直後に現場を通った別の車のドライブレコーダー映像の提供を受けるなどして当時の状況を詳しく捜査。自動車運転処罰法違反(過失致死)の疑いで現行犯逮捕したトラック運転手菊池誉司容疑者(50)=松山市南久米町=が前方不注視になっていた可能性があるとみて事故原因を調べている。

 また県警は27日、亡くなった2人の死因が、バス運転手岡本勉さん(30)=阿波市阿波町綱懸=は頭部挫傷と内臓破裂、乗客の富岡西高1年森下汐音さん(15)=海陽町宍喰浦=が外傷性心破裂だったと明らかにした。