徳島大の学生寮入り口にある郵便受けをのぞく大学生。約70人が暮らす同施設には布マスクが1セットしか届かなかった=徳島市城南町1

 新型コロナウイルス対策として徳島県内では5月23日に始まった政府による布マスク配布で、日本郵便のポスティングサービス「タウンプラス」を利用した結果、政府が想定する「1世帯に2枚」のマスクが届かないケースが生じている。一方で、同じ人が自宅と仕事場で重複して受け取るケースもあり、配布システムの不備を指摘する声が上がっている。

 タウンプラスは、指定エリアの配達可能な全ての住所に荷物を届けるサービス。宛名の記入は不要で、個人宅のほか事業所などにも届く。

 「アベノマスク」とやゆされる布マスクは、1住所に1セット(2枚)を配る契約となっている。このため、一つの郵便受けを共同で使っている寮や2世帯が同居している住宅では、各世帯に2枚ずつ配られない事態が生じている。

 6月上旬、徳島市城南町にある徳島大の学生寮「晨鐘寮」と「藍香寮」に届いたのは、たった1セット。寮生は約70人いるため、厚生委員を務める寮生が預かることになったが、どう扱うか今も決めかねている。

 歯学部1年の学生(18)は「どこに行くにもマスクが必要なのに、1枚ももらえなかったのは残念。国がやることは中途半端で配慮が行き届いていない」と憤る。理工学部3年の学生(21)は「よその大学の寮でも同じことが起きたと聞く。事前に大学に確認すれば、こうはならなかったのでは」と指摘した。

 一方、徳島市の自営業男性は、自宅と事業所で計2セットを受け取った。使い捨てマスクが流通し始めたこともあり、1セットは買い物に出掛けるのが難しい高齢の知人に譲った。

 男性は「システム上、仕方ないのかもしれないが、必要のない所に余分に配るのは税金の無駄遣い。必要とする所にしっかりと届けるべきだ」と訴えた。

 厚生労働省はマスク配達申し込みサイトを開設し、マスク不足や未配達を訴える声に対応している。担当者は「サイトからの申し込みは6枚が上限。まとまった数が必要な場合は電話で申し込んでほしい」と呼び掛けている。電話は<フリーダイヤル0120(551)299>。