会見で職員の着服について謝罪する阿波池田商工会議所の会頭(右から3人目)ら=三好市池田町の同所

 阿波池田商工会議所(徳島県三好市池田町)は30日、会計事務を担当していた50代女性職員が12年間にわたって不正経理を行い、計946万6466円を着服したと発表した。全額返済され、本人が反省しているなどの理由から刑事告訴はしない。19日付で懲戒解雇した。会議所の聞き取りに対し女性職員は「住宅ローンの返済など生活費に充てた」と話している。

 会議所によると、女性職員は2009年~20年に会議所青年部や女性会、会議所が事務局を務めるイベントの運営組織など20会計を管理。このうち14会計の繰越金を預金通帳から引き出して着服していた。各団体の監査前に他会計から金の流用を繰り返すことで残高の帳尻を合わせ、発覚を免れていた。

 本年度に担当の変更があり、業務を引き継いだ別の職員が、ある団体の通帳に不可解な入金記録があるのを見つけた。上司が事情を聴くと着服を認め、女性職員が担当していた20会計を調べたところ、14会計に及んでいたことが明らかになった。行政からの補助金など公金は含まれていない。

 会議所は長期にわたって着服が見抜けなかった理由について、会計事務が女性職員に集中し、内部の会計監査も十分に機能していなかったとした。監督責任として上司に当たる広域経営相談所の50代男性所長を減給10分の1(3カ月)の懲戒処分とし、60代男性専務理事は給与の10分の1を2カ月間、自主返納する。

 再発防止策として▷金の出し入れは管理職による決済を必要とする▷各会計の残高証明書を月1回取得する▷年2回の外部監査を導入する-などを示した。

 会議所で記者会見した会頭は「不祥事が発生したことは誠に遺憾。会員ら関係者に心配や迷惑を掛け、深くおわびする」と謝罪した。