[上]緊張した面持ちで感想戦を行う菅井竜也新王位=30日午後3時20分、徳島市の渭水苑 [下]大盤解説をする菅井新王位(左端)と羽生前王位(左から2人目)ら=徳島市の祥雲閣

 29日から徳島市沖浜東の渭水苑で行われていた将棋の第58期王位戦7番勝負(徳島新聞社など主催)の第5局は30日午後3時8分、後手番の菅井竜也七段(25)が108手で羽生善治王位(46)=王座、棋聖=を下し、対戦成績4勝1敗で初の王位を獲得した。平成生まれのタイトル獲得は初めて。

 菅井のタイトル初挑戦となった今期、2連勝スタートから第3局を落としたものの、第4、5局を連勝して第一人者に勝利。羽生は7連覇を逃し、2冠に後退した。
 第5局は持ち時間各8時間のうち、残りは菅井3時間33分、羽生28分だった。

 すがい・たつや 1992年岡山市生まれ。井上慶太九段に入門し、2010年プロ入り(四段)。11年に大和証券杯ネット将棋・最強戦で優勝。15年、新人王戦で優勝し、同年、七段に昇段。今年、順位戦でB級1組に昇級した。


 ◆菅井竜也新王位の話 まだ実感湧かず
 
 中盤は難しい展開でしたが、終盤に入る辺りでは少し指せるかと。勝ちを意識したのは最後の最後です。初の7番勝負では、自分の研究していた戦型が指せたのがよかったと思います。タイトル獲得について、今はまだ実感が湧きません。


 ◆羽生善治前王位の話 仕方のない結果
 
 構想力が問われる序盤でしたが、封じ手の辺りでは、こちらが失敗したかと感じていた。どこかで問題があったと思います。その後も自信のない展開が続きました。今シリーズは内容も悪かったので、結果は仕方がないです。


 ◆大盤解説にファン170人

 徳島市の渭水苑で30日に行われた第58期王位戦第5局に合わせ、武市三郎七段と長谷川優貴女流二段の大盤解説が対局場所隣の祥雲閣であった。県内外の将棋ファン約170人が、羽生善治王位と菅井竜也七段の対決を見守った。

 武市七段らは進行中の局面を並べて解説。対局終了後には序盤から振り返りながら、他にどんな手が考えられたかなどを説明した。次の一手を予想するクイズもあり、正解者には武市七段のサイン入り色紙や将棋の指導本などが贈られた。

 感想戦終了後には、菅井新王位と羽生前王位が姿を見せ、来場者の前で対局を振り返った。

 岡山市から来た小学5年杉本愛夏さん(11)は「自分では分からない手の解説があり、勉強になった。羽生さんに会えてうれしかった」と話していた。

 これに先立ち、指導将棋教室があり、武市七段と長谷川女流二段が小中高生に指導対局をした。