徳島市消防局が行った燃焼実験(着火時)。左側がポリエチレン製、右側がポリ塩化ビニール製(同局提供)

徳島市消防局が行った燃焼実験(着火約20秒後)。左側のポリエチレン製のシートは瞬く間に燃え広がった。(同局提供)

 新型コロナウイルスの飛沫感染を防ぐため、小売店や飲食店のレジなど人同士が対面する場所でビニールシートの設置が進んでいる。シートの材質によっては燃えやすく、取り付ける場所を誤ると火災報知器など消防設備が正常に作動しなくなるため、徳島市消防局が注意を呼び掛けている。手指やテーブルの消毒に使う消毒用アルコールについても引火の恐れがあるとして、適切な取り扱いを求めている。

 市消防局によると、一般に普及している透明シートの材質はポリエチレンとポリ塩化ビニールの2種類。いずれも燃えるが、特にポリエチレンが燃えやすい。コンロなど火気や発熱する照明器具の近くでは、熱や火花で燃える危険がある。

 また、シートを天井からつり下げて間仕切りにする場合、設置場所によっては▽火災報知器が煙を感知できなくなる▷スプリンクラーの散水を妨げる▷避難口や誘導灯が見えにくくなる―など火災時の消火活動や避難に支障が生じる恐れがあるという。

 消防法は、飲食店や病院など不特定多数が出入りする施設でカーテンを取り付ける場合、防炎製品を使うよう義務付けている。透明シートも設置する場所や大きさによっては消防法のカーテンとみなされ、防炎製品の使用が必要になる。

 大阪府では、シートが燃えて大きな火災になりかねない事案も発生している。枚方寝屋川消防組合によると、商業施設のたばこ売り場で4月、高齢の男性客が商品のライターを試しに点火したところ、レジに設置していたシートが炎上。けが人や延焼はなかったが、周辺に燃え移れば大火災につながる可能性があった。

 市消防局予防課の早雲雅人消防司令補は「素材を確認してなるべく防炎のシートを選ぶとともに、取り付け時に不安がある場合は最寄りの消防署などに相談してほしい」と話した。

 消毒用アルコールは可燃性の蒸気が発生し、手指に吹きかけて乾かないうちに、たばこに火をつけたり、コンロやストーブに手を近づけたりすると引火する恐れがある。特に直射日光が当たる窓際や車の中に置くと可燃性の蒸気が発生しやすくなる。