吉野川市の高校2年岡崎大樹(だいき)さん(16)が、徳島特産の春ニンジンの栽培に取り組む様子をインターネットで発信している。幼い頃から農業に親しむ中で、徳島が全国1位の出荷量を誇る春ニンジンの魅力や、人々の食を支える仕事の大切さと後継者不足に悩む現状を実感。同世代の若者らに仕事の魅力をPRすることで新たな担い手を確保し、徳島の農業を盛り上げようと奮闘している。

 

 岡崎さんは藍住町で曽祖母(そうそぼ)が所有していた約80アールの畑で、知人男性(67)に委託しているニンジン栽培を小学3年の頃から手伝っており、今季の生産が始まった3月から日々の体験を「my carrot diary(僕のにんじん栽培日記)」と題したブログでつづり始めた。

 

 ブログでは、県産春ニンジンは甘みの強さが特長で、大手スーパーやネット販売を通じて全国で流通していることや、出荷する時には買ってくれる人が喜ぶ顔を想像しながら美しさにこだわって箱詰めしていることなど、農業の喜びや苦労を感じられるエピソードをユーモアを交えて紹介している。

 動画配信サイト「ユーチューブ」では、収穫や出荷などの作業風景に加え、トラクターの操作方法を解説する動画を公開。これまでにアップした34本の中には1千回以上再生されているものもあり、視聴者からは「かっこいい」「頑張って」といった応援コメントが寄せられている。

 岡崎さんは幼い頃から曽祖母の畑で遊ぶうちに、トンネルのようなビニールハウスで栽培する春ニンジンに魅力を感じるようになった。小3の時にテレビで男性アイドルが農作業を楽しむ様子を見て「自分もやってみたい」と感じ、知人男性の作業を手伝う傍ら、祖父の菜園でニンジンなどを育て始めた。

 ニンジンを病気で腐らせてしまうなどの苦労も味わいながら、小6の時に初めて市場に出荷。売り上げはわずかだったものの、「奇麗な作物を育てる大変さと購入してもらう喜びを知って、農業にのめり込んでいきました」。中学2年の時には生産量が1トンを超え、15万円以上を売り上げた。

 

 こうした活動を通じて県内農家と交流を重ねてきた岡崎さんは、後継者がいないために代々続いてきた農業をやめる人や、売却されて住宅地に変わる畑が多いことを知り、県内外の食を支える徳島の農業が衰退することに強い危機感を覚えた。

 農業を盛り上げるために自分にできることを模索する中で、農作業の様子を動画で紹介するユーチューバーらの存在に着目。「高校生の自分が魅力を発信すれば若い従事者を増やせるのではないか」と考え、ブログや動画の公開を始めた。

 今後は全国の先進農家を訪ね、その取り組みや思いも発信する計画だ。「全国一のニンジン農家になりたい」と大きな目標を掲げる岡崎さんは「先輩農家が僕に教えてくれたように、徳島の農業の魅力を多くの人に伝えていければ」と力を込めた。