コウノトリが居着く鳴門市大麻町のJA徳島北は1日から、同市の「コウノトリおもてなし」ブランドの認証を受けた農作物の第1弾として、レンコンを初めて関東市場に出荷する。コウノトリの餌場を確保するため、農薬の使用を減らすなど自然に配慮した農法で栽培しており、安全安心をアピールして販路の拡大を目指す。
出荷するのは、同JA板東支所に所属する11戸。農薬と化学肥料を減らした農業に取り組む県の「エコファーマー」に認定された農家で、魚道の設置や用排水路の除草・清掃などの要件を満たして8月、市からブランド認証を受けた。1日に100キロを出すのを皮切りに、2戸1組で原則来年3月末まで、毎日50~100キロを東京都と神奈川県の卸業者各1社に出荷する。
同JAによると、県産のレンコンは関西で評価が高く、1箱(5キロ)約4500円で取引されている。関東は茨城県産が多く流通しており、輸送費がかかることもあって出荷していなかった。関西よりやや高い価格での出荷を予定している。
コウノトリの巣の南側にある畑で収穫作業を行った藤井優希さん(30)夏実さん(30)夫妻は「コウノトリに優しい環境で育ったレンコンは甘みが強く、歯ごたえがいい。関東への出荷は楽しみ」と話した。
鳴門市はコウノトリが飛来した2015年2月以来、「コウノトリが選んだ町」として農産物などをPRするため、独自のブランド制度の創設を検討。全国公募でブランド名とロゴマークを決め、特許庁の登録査定を経て8月10日から認証を始めた。