ホテル白水園の宴会場。新型コロナの感染リスクを抑える工夫がいる=徳島市仲之町1

 新型コロナウイルスの影響で臨時休業していた徳島県内の多くの宿泊施設や飲食店が営業を再開した一方で、県外客の多さなどからやむなく休業を続ける施設や店がある。スタッフらの感染や、それに伴う風評被害への恐れが拭い切れないためだ。感染の第2波が懸念される中、リスクを抑えるために営業スタイルを見直しつつ、再開時期を模索している。

 4月から休業している徳島市仲之町1のホテル白水園では、3月に複数の従業員が新型コロナの感染を恐れて退職した。残った従業員は高齢者がほとんどで、持病を抱える人もいる。感染すれば重症化しやすいため、営業再開のめどは立っていない。

 宿泊客の大半が感染者の多い関東や東海などからの団体客というのも響く。新開正実社長(50)は「感染者が宿泊したとなれば致命傷になる。風評被害が怖くて再開に踏み切れない」と吐露する。

 創業約70年。旅館型の客室は大部屋ばかりで、宴会場や大浴場も感染防止策が求められるものの、「何から手を付けていいか分からず焦ってきた。客足がすぐに戻るとは思えず、再開しても地獄が待っているだけだ」。新開社長はそう言ってため息をついた。

 「いつまでも休んでいる余裕はないけど、感染者が出るたびにびくびくしないといけないのはしんどい」。そう打ち明けるのは徳島駅前で居酒屋を営む男性店長(46)。県外客が6割を占めるため、感染リスクを回避しようと4月中旬から休業している。県内外から営業に関する問い合わせが1日に十数件あるものの、全て断っている。

 それでも県をまたぐ移動の自粛が解かれたため、7月末にとりあえず再開することにした。感染拡大を防ぐ「新しい生活様式」に取り組む事業者らを助成する県の制度に申請。飛沫感染を防ぐアクリル板や間仕切り、換気設備を設置する工事を近く始める。

 来店時の検温も義務付ける方針で、男性店長は「少しでも不安要素を取り除きたい。できる限りの対策をしても、コロナが出た、となれば店を畳むしかない」と話した。