徳島県内で過去約10年間に、1時間に80ミリ以上の「猛烈な雨」が観測された日が計16日あり、1990年代の4倍に上っていることが、徳島地方気象台のまとめで分かった。50ミリ以上80ミリ未満の「非常に激しい雨」が降った日もほぼ倍増している。専門家は地球温暖化が影響した可能性を指摘。大雨被害のリスクが高まっているとして「一人一人が危機意識を高めることが不可欠だ」と訴える。

 気象台の新旧11の観測地点について、2008年から17年8月までの記録と、現在に近い観測手法を取るようになった年代で最も古い1990年代の10年間の記録を比べた。

 08年以降で猛烈な雨を観測した日数は、美波町で6日、阿南市蒲生田で5日、徳島市で3日、那賀町木頭出原、海陽町でそれぞれ1日だった。

 最も多い時間雨量は10年7月13日に美波町で記録された108・5ミリで、県内の観測史上最多となった。梅雨前線に向かって南から湿った空気が流れ込んだのが原因で、阿南市など3カ所でがけ崩れが発生したほか、道路通行止めが16カ所に上った。

 一方、1990~99年の観測日は阿南市蒲生田、美波町、上勝町福原旭、旧宍喰町でそれぞれ1日だった。

 非常に激しい雨は、2008年以降で計101日、90年代には計53日観測された。

 大雨が増えた原因として、徳島大の武藤裕則教授(河川工学)は、地球温暖化の影響で気温と海水温の上昇率に差ができていることが関係するとみる。

 気象庁などによると、徳島市の年平均気温は1902年が15・3度、2016年17・6度で、上昇率は15・0%。四国沖の海面水温は1902年が21・9度、2016年が23・9度で、上昇率は9・1%にとどまる。

 上昇率に差ができると、陸地と海上で気圧差が生じ、海上の暖かく湿った空気が陸地に吹き込みやすくなる。湿った空気は山地に流れ込んで上昇気流となり豪雨の原因となる積乱雲が形成される。大気中に含まれる水蒸気量も気温の上昇に比例して増えており、大雨の発生を助長しているという。

 今年7月の九州北部豪雨をはじめ、鬼怒川の堤防が決壊した関東・東北豪雨(15年9月)、77人が死亡した広島市の土砂災害(14年8月)など、近年は突発的な豪雨による災害が各地で多発している。

 気象台は「黒い雲ができていたり、急に冷たい風が吹いたりすると、大雨が降る兆候なので水場から離れて安全な場所に避難する必要がある。天気予報を小まめに確認するなど、被害に遭わないよう気を付けてほしい」と呼び掛けている。