徳島大学病院が、重度の肥満患者に対する減量手術で医療保険が適用される認定病院に指定された。1月、国の認定基準となる10例目の手術に成功した。指定は四国では初めて。
減量手術は、腹腔鏡を使って胃の3分の2を切り取る「袖(スリーブ)状胃切除術」。食事、運動療法を半年以上続けても改善がみられない場合に用いられる。食欲増進ホルモンを分泌する部位を取り除くため、高い減量効果が期待できる。傷口が小さく、患者の体力的負担が比較的軽いとされる。
2010年に厚生労働省が「先進医療」に指定。14年から医療保険の対象となった。徳島大学病院は13年1月に導入した。これまで手術を受けた患者の大半が大幅に体重を減らし、数十キロ減量したケースもあるという。
標準的な手術費用は約200万円とされ、保険が適用されれば3割負担となる。さらに一定額を超えた分は高額療養費制度により払い戻される。
消化器・移植外科の島田光生教授は「重度の肥満は重い糖尿病になるリスクを抱えるが、本人の努力だけでは改善できないケースもある。保険の対象になったのを機に、治療を検討してほしい」と話している。