徳島県は7日、石井町の10、20代の男女3人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。このうち7例目となる20代女性は小松島市の高齢者向けグループホームに勤務する介護士で外国籍。残りの2人はこの女性と同居している日本国籍のきょうだいで、徳島文理大生の10代男性とその妹で無職の10代女性。3人は同日中に県内の感染症指定医療機関に入院した。10代男性は中等症以上、20代女性は軽症から中等症、10代女性は無症状だという。感染経路は不明。県内の感染者は累計で9人になった。県は女性介護士の感染を受け、グループホームの入所者ら33人のPCR検査を行い、29人が陰性、残る4人を再検査していると明らかにした。
県によると、20代女性は2日に鼻詰まりや喉の痛みなどの症状が出て、3日に38・0度の発熱があった。4日にせきや味覚・嗅覚障害が現れ、6日に熱は治まったものの、呼吸困難や頭痛の症状があり、PCR検査を受け、同日、陽性と判明した。8例目の10代男性と9例目の10代女性は20代女性の濃厚接触者として検査を受け、7日に感染が確認された。
20代女性は症状が出る前後の6月30日と7月1、3、4日に勤務していた。グループホームには17人が入所し、女性以外の従業員は17人。県はこのうち入所者8人と従業員7人が濃厚接触者とみている。7日に休みだった従業員1人を除く33人の検査を行い、29人(入所者14人、従業員15人)は陰性だった。残りの4人(入所者3人、従業員1人)は再検査している。
20代女性はJRやバスで通勤。仕事中や移動中はマスクを着用していた。県は勤務先の施設名について「公表に向けて交渉しているが、同意が得られていない」としている。
10代男性は6日に37・7度の発熱やせきなどの症状があった。4日と6日に大学の講義に出席。通学にはJRを使っていた。同じ講義を受けた学生らは延べ約50人。県はこのうち濃厚接触者に該当する人に検査を行うほか、希望する人から相談があれば対応する。
男性の感染確認を受け、徳島文理大は7日、臨時休校とし、キャンパス内を消毒した。8日以降は対面授業をオンライン授業に切り替える。
10代女性は、20代女性と自宅近くのコンビニに立ち寄った以外は行動歴が分かっていない。
感染者の3人は2DKのアパートに同居。20代女性ときょうだいが1部屋ずつ使用している。
飯泉嘉門知事は会見で「感染源が特定できていない初めてのケース。専門家会議を開き、(移動自粛や休業要請を行うための独自基準)『とくしまアラート』の発動などについて議論したい」と述べた。