徳島大大学院社会産業理工学研究部の木下和彦教授(情報通信学)らの研究グループが、公衆無線LANサービス「Wi―Fi(ワイファイ)」を使った地域情報提供システムの開発に取り組んでいる。通信インフラが使えなくなっても、災害情報や安否確認の送受信ができるなど、主に災害時に役立つと期待されており、早期の実用化を目指す。

 計画では、Wi―Fiのアクセスポイントとサーバーを信号機や街灯ごとなど数百メートル間隔に設置し、新たに無線LAN網を構築。災害情報などをリアルタイムに表示する高度な地図情報「ローカルダイナミックマップ(LDM)」を提供するシステムを開発する。情報はスマートフォンなどを通じて利用者に送られる。

 平時は地域の詳細な道路地図や渋滞情報を提供。非常時には自治体が発表する情報を素早く取得できるほか、避難所の患者に病院から電子カルテを送ることなども可能になる。

 神戸大と、美波町にサテライトオフィスを開設したIT企業「スペースタイムエンジニアリング」(本社・東京)との共同開発で、2018年度に同町や高知県などで実証実験を行う予定。

 研究は総務省の17年度戦略的情報通信研究開発推進事業(SCOPE)に採択され、4日、徳島大常三島キャンパスで、同省四国総合通信局無線通信部の斧淵康久部長から木下教授に採択書が渡された。

 木下教授は「平時に役立つサービスを提供しつつ、南海トラフ巨大地震といった大規模災害時には非常用のネットワークとして機能するのが利点。実用化に向け開発に励みたい」と話している。