徳島県阿波市阿波町の国指定天然記念物・阿波の土柱に、12月までの4カ月間で計2000人規模の観光客が訪れることになった。関東の旅行会社が企画したツアーの行程に組み込まれたためで、市観光協会は土柱を売り込む好機とみて、市民らに働き掛けて「土柱ボランティアガイドの会」を結成。観光客に市の魅力をPRする。
協会によると、土柱は3月に四国地方整備局などが選定を進めている「四国八十八景」の第1陣に選ばれたことや、景観がテレビ番組で取り上げられたことなどから注目され、最近は県外の旅行会社の問い合わせが増えていた。
同市でも地域住民による「どうする土柱協議会」が発足し、観光資源としての活用策を検討していたところ、市観光協会が旅行会社からツアーの企画を知らされた。
ツアーは空路やバスを組み合わせ、行き先を隠して全国の観光スポット数カ所を回る内容。土柱での滞在は30分程度だが、1回約40人のパックで8月末から12月にかけて計50回ほど行う。
市観光協会は旅行会社から現地での案内を求められ、協議会や市民有志に働き掛けるとともに、ガイドのマニュアルを作るなどして準備を整えた。ガイドの会は15人。1回につき1、2人が土柱で待機し、形成された経緯や人との歴史的な関わり、見どころなどを説明する。
協会は、普段土柱を訪れる観光客数は不明としつつ、2千人規模はかなり多いとみている。担当者は「土柱が盛り上がる機運が高まりつつある。この機会を生かして市の魅力を伝えていきたい」と意気込んでいる。