コロナ禍への不安に対し「悩まずに相談してほしい」と呼び掛ける菊池理事長=徳島市昭和町7

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、感染への不安や外出自粛によるストレスから心に不調を来す「コロナうつ」の相談が徳島県内の支援団体に寄せられている。中には「生きる希望を失った」などと自殺をほのめかす内容もあった。国内での感染者が減った5月から相談件数は減少傾向にあるものの、県内では6月26日以降、感染者が相次ぐ。再び不安を感じる人が増える恐れもあり、支援団体は「一人で悩まず相談してほしい」と呼び掛けている。

 匿名での電話相談「いのちの希望」を運営する県自殺予防協会(徳島市)に3~5月に寄せられた相談件数は計3166件(前年同期比81件増)。そのうち、コロナウイルスに関する不安などを訴えたものは198件だった。

 相談内容の主な内訳は▽コロナ禍に伴う不安33件▽移動制限29件▽生活の変化への戸惑い21件▽仕事や失職に関すること14件―など。年代別では不明の13件を除き、10~30代が計12件、70代が3件だった一方、40代20件、50代92件、60代58件と中高年が全体の86%を占めた。うつ病などの精神疾患、もしくはその疑いがある人からの相談が136件と最も多かった。

 「どこにも行けず何もする気が起きない」「自分が感染して他人にうつさないか心配だ」「コロナの暗い話題ばかりで気分が落ち込んでいる」など、長期間にわたった自宅待機を憂いたり、感染を過度に恐れたりして「コロナうつ」の症状を示す相談が目立った。

 自殺をほのめかす相談は6件だった。男子学生は「生きるという意味に疑問が出てきた」。女性は「コロナでころっと死ねたらいい。けど、娘のことを思うと死ねない」。男性は「転職して3日が過ぎたが、仕事を続けられるか不安だ」などと助けを求めた。

 月別の相談件数は3月が92件、4月は80件だったものの、5月は26件と急減。5月は国内での感染者が減少傾向にあり、県内でもPCR検査での陽性確認がゼロだったことが影響したとみられる。

 協会の菊池正三理事長は国内で感染者が急増し、コロナ禍の先行きが見通せなかった3、4月の方が相談者の不安の傾向が強かったと振り返る。菊池理事長は「健康や経済不安などから自分を責めたり、落ち込んだりする人が増えるかもしれない。匿名なので安心して相談してほしい」と話した。

 相談は、いのちの希望<電088(623)0444>など4回線で受け付けている。