徳島市のとくしま動物園に、四国で絶滅が危惧されているツキノワグマ1頭が仲間入りし、9日から公開される。1998年の開園以来、ツキノワグマを飼育するのは初めてとなる。
園によると、公開されるツキノワグマは体長1メートル、体重50キロの推定8歳6カ月の雌「よねこ」。通常の個体よりは目立たないものの、胸に三日月模様が確認できる。
2009年11月に山形県内で保護され、12年12月から高知市の「わんぱーくこうちアニマルランド」で飼育されていた。
とくしま動物園では15年11月に雄のエゾヒグマが死んで以来、クマ舎は「空室」となっていた。園は県内でツキノワグマが捕獲された場合に一時保護することになっており、その態勢を確認する意味合いもあり、高知市から借りることにした。
よねこは今年8月12日にとくしま動物園に引っ越し。環境に慣れてきたことから、展示をスタートさせることにした。小川嘉弘学芸員は「ツキノワグマとしては体の小さい個体だが、動きは活発。来園者に楽しんでもらえると思う」と話している。