看護職の復職研修で採血の演習を行う参加者(中央)=徳島市北田宮1の県看護会館

 新型コロナウイルス対策の重要性が増す中、徳島県看護協会(稲井芳枝会長)が、結婚や出産を機に離職した看護師や保健師ら「潜在看護職」の復職支援に力を入れている。看護職は老人ホームや保育所などで感染防止に向けた活躍が期待されているものの、人材が不足している。協会は離職者と働き先とのマッチングにも取り組んでおり、「最前線でなくてもいろんな働き方がある。できる所で後方支援をお願いしたい」と呼び掛けている。

 県協会は2007年度から、離職者を対象に講義や技術演習を行う復職研修を始め、集団での定期研修や随時の個別研修を受け付けてきた。本年度は定期研修の一部を中止しているものの、密集を避けながら1人でも多くの復職者を確保するため随時研修を積極的に開催。受け付けを9月から4月に前倒しした。

 随時研修で採血と点滴の演習を受けた徳島市の女性(40)は、約2年前に出産を機に退職した。医療情報や技術は日々更新され、長期離職による不安があったといい「研修で基本に立ち返り、現場感覚を取り戻せる」と支援を歓迎する。医療現場の窮状にも触れ「自分に合った働き方で、技術と経験を生かして少しでも役に立ちたい」と話す。

 また、離職した看護職を「AWAナース」として登録し、パートや時短、短期間など希望に応じた働き方ができる仕事とマッチングさせる「AWAナースサポート事業」も進めている。退職者の了解を得て登録しており、登録者数は現在152人。昨年度は病院や施設での健診業務やイベントの救護などで延べ62人が活動した。

 本年度は新型コロナ関連の依頼も増えており、5人は4月から、新型コロナに関する保健所の電話相談業務に従事している。7月には1人が県内の障害者施設に講師として派遣され、職員に向けて感染予防の研修を行うほか、防護服の着用や施設内のゾーン分けなど感染対策を助言する。

 協会によると、看護職の県内有効求人倍率は1・48倍(全国2・39倍)で、夜間を中心に人手不足が慢性化している。

 稲井会長は「第2波が起こった場合、徳島でも医療崩壊の恐れはある。サポートできる看護職を何とか確保しておきたい」と話している。