福田淳一前財務事務次官のセクハラ疑惑や森友・加計(かけ)学園問題などを巡る与野党の応酬が激化し、国会は不正常な状態が続いている。

 立憲民主党など野党6党が麻生太郎副総理兼財務相の辞任や柳瀬唯夫元首相秘書官ら関係者の証人喚問などを要求。与党側が応じないことから、全面的に審議拒否をしているのだ。

 麻生氏の辞任を求める声は野党だけでなく、国民の間でも強まっている。

 森友学園への国有地売却問題で引責辞任した佐川宣寿前国税庁長官を「適材適所」としてかばい続けた。今回も、セクハラを否定する福田氏を容認するような発言を繰り返している。世間の常識から懸け離れた感覚と言えよう。

 菅義偉官房長官は「陣頭指揮に当たり、信頼回復に努めてほしい」と麻生氏を擁護するが、麻生氏の手で信頼回復ができるとは到底、思えない。麻生氏は早急にけじめをつけるべきだ。

 森友・加計問題での関係者の証人喚問も疑惑の解明や国民の不信感を拭う上で欠かせない。与党は柳瀬氏らの国会招致を喚問でなく、偽証罪のない参考人招致にとどめる考えのようだ。

 これでは真相究明に後ろ向きと見られても仕方あるまい。安倍晋三首相は「うみを出し切る」との言葉通り、強い指導力を発揮してもらいたい。

 ただ、野党のかたくなな姿勢も問題だ。審議拒否は国民生活にかかわる重要法案にも影響を及ぼしかねない。疑惑や不祥事も審議を通して徹底的に追及するのが筋である。