倒壊して1階部分がつぶれた民家=15日午後1時半ごろ、上勝町福原

 「間一髪だった」。14日午後5時半ごろ、徳島県上勝町福原で起きた土砂崩れで木造2階建ての自宅が倒壊した女性(84)。異音に気付き、戸外に出た直後に土砂が流れ込んできた。難を逃れ、取材に応じた女性は「逃げてなかったら死んでいた」と、当時の恐怖を振り返った。

 1人暮らしの女性が異変に気付いたのは午後5時すぎ。1階で食事をしていたところ、天井や2階の方向から「パキパキ」という音が聞こえた。すぐに近くに住む弟(74)に電話すると、町外にいた弟は危険を察し「すぐ外に逃げとれ」と伝えた。

 女性が玄関を出て数メートル離れた直後、裏山で土砂崩れが発生。土砂で1階部分がつぶれ、傾いた2階部分が自宅前の町道をふさいだ。「屋根が落ちたときはびっくりして動けなかった」。電話から数分後の出来事だったという。

 徳島地方気象台によると土砂崩れが起きた同時刻ごろ、上勝町福原旭の雨は小康状態だった。降り始めの5日午後4時から14日午後4時までの雨量は303・5ミリで、同所の7月1カ月の平年値(364・2ミリ)の8割以上に達していた。

 女性は「ちょっとでも変だったらすぐに逃げた方がいいと改めて思った」と胸をなで下ろす。弟は「九州の土砂災害も人ごとではない。山裾に住んでいる人は気を付けなければ」と話した。