孤立した避難所に歩いて向かうNPO法人ピースウィンズ・ジャパンのチーム=7日、熊本県球磨村(本人提供)

日隠健さん

 徳島県三好市でラフティング会社を経営する日隠健さん(44)=同市=が、記録的な豪雨で被害の出た出身地の熊本県に入り、支援に当たっている。姿を変えた古里の姿に打ちひしがれる間もなく、一日も早い復興に向けて泥をかき分ける。

 日隠さんは、氾濫の起きた球磨川が流れる熊本県球磨村生まれ。「地元のために何かしなければ」と、国内外で人道支援活動に取り組むNPO法人ピースウィンズ・ジャパンに連絡してボランティアに加わった。

 村は新型コロナウイルス対策として県外からのボランティアを受け入れておらず、日隠さんは到着後にそれを知った。久しぶりに故郷の土を踏み「こんな形で帰郷するとは思ってもみなかったので複雑」と吐露する。

 6日には同県人吉市に入った。街の中は水浸しで、雨が降りしきる中、市民は荷物の整理や泥かきに追われていた。日隠さんは災害派遣医療チーム(DMAT)のヘリコプターに同乗し、土地勘を生かして離着陸できる場所を選んで助言した。チームを離れた後は、被災した知人宅の泥かきを手伝っている。

 国道が寸断されているため、生まれ育った球磨村には迂回路の細い林道を通ってたどり着いた。球磨川から車で5分ほどの場所にある実家は被災を免れたが、知人宅は流されて基礎部分だけが残るなど、見慣れた景色は跡形もなくなっていた。

 東日本大震災や西日本豪雨でも支援活動に携わった。「これまで見てきた災害と同じ光景が地元に広がっている。現実を受け入れるしかない」と自らを奮い立たせつつ「新型コロナウイルスの影響でボランティアが少なく、泥かきの人手が足りていない」と窮状を訴えた。