感染性胃腸炎とかウイルス性胃腸炎の原因にはロタウイルスやノロウイルス、アデノウイルスなどが知られています。多くは下痢を主症状とするものです。この中でロタウイルスに対するワクチンが今年10月から定期接種になります。この機会にロタウイルスについて考えてみました。

 ロタウイルス胃腸炎は24~48時間の潜伏期間の後、嘔吐と発熱が1~2日続き、その後に水様性下痢になり、下痢がしばらく続きます。この下痢は米のとぎ汁様の白色になりますが、他のウイルスでも白色下痢便になることがありますからロタかどうかの診断の決め手にはなりません。このウイルスは感染力が強く、集団発生することがあります。2月から4月に流行が見られますが、ワクチンの普及によって発生頻度は随分減少しています。

 ロタウイルスに罹っても多くは軽症に終わります。しかし高熱や頻回の嘔吐によって水分が十分に摂取出来なくなり、激しい下痢を伴うことで体内水分が失われると重症の脱水症になります。体内の水分が10%以上失われると重症の脱水症で、生命に関わる状態です。軽症の脱水症であれば経口補水液を使用することによって水分電解質を補給して脱水症になることを防ぐことが出来ます。

 またロタウイルス胃腸炎では反復けいれんを起こすことや稀に脳炎・脳症を起こすことがあります。本症のけいれん発作は熱性けいれんの予防に使用されるジアゼパムは無効です。脳炎・脳症はインフルエンザや突発性発疹症による脳炎・脳症に次いで多いと言われます。ワクチンによって重症脱水症の予防や神経系の合併症の予防が期待されます。