伊丹さんが作った阿波尾鶏のPRポスター=徳島市新蔵町1のそば蔵

 新型コロナウイルスの影響で消費が低迷する徳島県産地鶏「阿波尾鶏」の生産者らを支援するため、同じく新型コロナで打撃を受けた県内の飲食店や宿泊施設が阿波尾鶏を使った新メニューの開発などに取り組む。阿波尾鶏の購入費などは県が助成する。行政と民間がタイアップして県外客からも人気が高いブランド地鶏の需要喚起を図り、飲食店の客足回復にもつなげる。

 県畜産振興課によると、緊急事態宣言の発令に伴う外出自粛などにより、料理店やホテルなどで阿波尾鶏の需要が減り、4月の取引量は前年の約3割に落ち込んだ。巣ごもりが主流となった家庭での鶏肉消費でも割高な阿波尾鶏は振るわず、手頃なブロイラーが堅調に推移している。

 こうした状況を受け、県は公募型プロポーザル方式で事業者を募り、阿波尾鶏を使ったテークアウトメニューの開発や、料理の割引キャンペーンなどに助成する事業を計画。飲食店や宿泊施設などでつくる6団体程度を選び、上限500万円の助成費の半額以上を阿波尾鶏の購入費に充ててもらう。

 事業の申請などをサポートする公益財団法人・県生活衛生営業指導センターによると、これまでに▽旅館ホテル▽すし飲食▽社交飲食▽料理業―の各県生活衛生同業組合が応募。これら4団体の全組合員の半数以上に当たる約180組合員が名を連ねている。審査をパスすれば、8月中旬にも阿波尾鶏の提供が始まる。

 徳島市などにそば屋を4店舗構える伊丹慎治さん(60)は「経営状態が元に戻らない中、県外客にも喜ばれるブランド産品をいただけることになればありがたい」と話す。阿波尾鶏を使った親子丼や鶏南蛮そばのPRポスターをいち早く自前で作り、店内に掲示した。

 阿南市のロイヤルガーデンホテルは、新メニューを試作する予定。客足が遠のいて飲食部門を休業しているため、自ら厨房に立つ山本史夫社長(57)は「以前から地産地消のメニューを望む声は多い。満足してもらえる料理を提供し、離れたお客さんが戻るきっかけになれば」と期待する。